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家族三世帯の集客!直近のショッピングセンター(SC)のイベントをチェック

2019年06月21日
※掲載内容は公開日時点の情報です。現在と異なる場合がございます。
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ダイヤモンド・チェーンストア2019年4月1日号では、毎年恒例の人気企画「STORE OF THE YEAR 2019」が発表されました。
今回の「商業集積部門」の上位は

1位 イオンモール津南
2位 東京ミッドタウン日比谷
3位 日本橋高島屋S.C.
4位 THE OUTLETS HIROSHIMA
5位 ゆめタウン姫路

引用元:ダイヤモンド・リテイルメディア「ダイヤモンド・チェーンストア2019年4月1日号」より

となりました。ベスト5の商業集積の特徴は、「イオンが2つ」「都心部SCが2つ」ランクインとなったことですね。

そこで今回は、改めてショッピングセンター (SC) の現状がどうなっているのかが気になったので、ザクッとショッピングセンターの状況を数値でとらえるとともに、直近の主だったショッピングセンターの「家族三世帯の集客」のイベント企画をチェックしてみました。

1.ショッピングセンター(SC)の現状

一般社団法人日本ショッピングセンター協会のデータから見てみましょう。

1)2019年3月SC販売統計調査報告から
  参照:http://www.jcsc.or.jp/cat_sales/p_20190422_17276
 ① 3月度の既存SC売上高:前年同月比   +2.2%
 ② 全体概況
 (1)好天に恵まれ「衣料品」が堅調だった。
 (2)休日 1日増(前年比)により、プラス要因へ。
 (3)都市規模別・地域別の売上高伸長率を見ると、
    大都市、その他の地域とともに前年を上回った。
    → 大都市 前年同月比 +2.6%  その他の地域 前年同月比 +1.8%

2)2018年SC年間総売上高
 32兆6,595億円(前年比 +1.9%)

3)新規オープンSC数の推移

4)ショッピングセンター1坪当り年間売上高(万円)

SC坪当り年間販売額(万円)グラフ
日本ショッピングセンター協会のデータより算出
http://www.jcsc.or.jp/wpjcsc/wp-content/uploads/2018/07/SCPR_2018_8_1.pdf
坪当たり年間販売額は、SC年間総売上高÷総店舗面積×3.3で計算。例えば、2017年は、年間総売上高31兆9868億円÷5253万1060㎡×3.3にて計算

2.ショッピングセンター(SC)の現状を「数値」でジャッジ!

1)ショッピングセンター新規オープンの18年間の推移をチェックすると、2007年「97件」から、2018年「37件」(61.9%減)と低調な結果となりました。

2) また2018年「37件」は、2011年3月11日「東日本大震災」の影響が大きかった翌年の2012年「35件」とほぼ同水準でした。

3) 日本ショッピングセンター協会では、2019年の新規オープンSC数は42件を見込んでおり、5年ぶりの増加です。
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控えて、東急グループが100年に1度の大開発によりで、渋谷を「日本一訪れたい街」テーマに駅周辺で8つのプロジェクトを推進することが一因となります。2018年は都心部のSC開業は低調でしたが、逆に2019年は、都心部がけん引役となります。
参照元:http://www.jcsc.or.jp/wpjcsc/wp-content/uploads/2018/12/SCPR2018_16.pdf

4)全米77都市のショッピングセンターをモニターしている不動産調査会社レイス社発表のモール空室率によると、
  ①2019年第1四半期(1月~3月期)        9.3%
  ②2018年第4四半期(10月~12月)         9.0%
となりました。モール空室率のピークは、2011年第3四半期(7~9月)の9.4%でした。
もちろん日米の商環境は異なりますので、一概に比較することは出来ませんが、アメリカは、リーマンショック「以降」の影響が推測される時期の空室率に近い数値の結果となってしまいました。

5)ショッピングセンターの年間坪効率(上記・表2)は、2011年から「200万円」前後を行ったり来たりの状態です。またピークは、1988年の435万円で、2017年は「201万円」ですので、約30年で半分以下となりました。

6)現状のSC不調の要因は、「アマゾンエフェクトに象徴されるECの影響」「人口減・少子高齢化」「坪効率不振によるテナントの出店意欲減」「モノからコト消費へ」「経費・建築コスト増による低収益化」等が考えられます。

3.家族三世帯の集客!直近のショッピングセンター(SC)のイベント事例をチェック

EC対策でショッピングセンターが3~4月に実施したリアル店舗ならではの、家族三世帯をターゲットにしたイベント・集客企画の事例をシンプルにまとめてみます。

1)「かけっこ」テーマ
 ①小学校対象!マラソン日本代表から学ぶ!かけっこ教室
 ②春の運動会直前!かけっこ力を測定しよう!
 ③カケッコ×眼ヂカラ測定会

2)「キャラクター」テーマ
 ①名探偵コナン謎解きイベント
 ②きかんしゃトーマスとなかまたち わくわくトレインツアー
 ③Sota(対話型ロボット)に挑戦!君に解けるか?クイズラリー

3)「ベビー」テーマ
 ①おひるねアート
 ②アルバムカフェ
 ③ハイハイレース・赤ちゃんずもう
 ④みんなで作ろう!こいのぼり
 ⑤がんばるママ&パパに もっと映画を 抱っこdeシネマ

4)「手作り」テーマ
 ①母の日に贈るフラワーギフト
 ②自分の好みに作る春のハーバリウム
 ③手作り腕時計
 ④大人も子供も楽しめるきらきらレジンキーホルダー

5)「縁日・フェスタ」テーマ
 ①花苗プレゼント
 ②お名前缶バッジをつくろう&スーパーボールすくい
 ③お祭り縁日がやってきた!

6)「SNS映え」テーマ
 ①ハッピーイースター
  「羊毛フェルトで作るイースターバーニー」「イースターうさみみカチューシャ」
  「エッグポプリ」
 ②フルーツメニューフェア

<著者>
株式会社マーケティングラボ 代表取締役 中村 仁
東証一部上場スーパーマーケット勤務後にコンサルタント活動開始。2007年株式会社マーケティングラボ 代表取締役に就任。GMS・SM・メーカー等の「マーケティング」や公的機関の「派遣事業」等を中心に常に「リアル」「現場」に基づいた情報を提供。

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