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【最終回】競合店調査の実践的知識~競合店調査を店舗活性化に活かす3つのポイント

2019年12月20日
※掲載内容は公開日時点の情報です。現在と異なる場合がございます。
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これまで3回にわたって「競合店調査」について紹介してきました。競合店調査を行うことで、市場の中における競合店のポジションや競合店の取り組みが明確となり、競合店との競争に打ち勝つための施策を考えることが可能になります。最終回となる今回は、競合店調査を具体的に店舗活性化につなげる手法をいくつか紹介します。

顧客ターゲットへのアプローチや商圏内での弱点補強に活かす

店外編の記事では店外調査を行うことで、競合店の位置づけや外観の様子、利便性を整理でき、競合店と比較すれば客層の違いや立地の有利・不利が見えてくることをお伝えしました。競合店の立地や客層を鑑みながら、自店はどこを重点商圏に設定するのか、どのような顧客ターゲットを狙うのかを見極めていきます。

【第2回】 競合店調査の実践的知識競合店調査で調べる必須項目~店外編

では、実際にどのようにして自店に活かせば良いのか、その例を紹介します。

・競合店と比較して自店の視認性が低いと感じるのであれば、看板や照明などでカバーできないか検討する

・地域のお客様の来店経路と競合店の位置関係を見ながら誘導看板を新たに設置する

・近隣の商業施設や公共施設からの誘導を促進する工夫(ポスター、看板、チラシなど)に取り組む

・顧客ターゲットに設定した年齢層が多く居住する商圏にチラシ配布やポスティングを重点的に行う

・顧客ターゲットに合わせて店舗設備を見直す(高齢者がターゲットなら通路幅拡大や陳列棚の高さを低くする、など)

このように、不利な状況を少しでも改善するために具体的な取り組みを考えていきましょう。

品揃えの改善に活かす

店外からの競合店調査を行った後は店内の調査を行います。その際は品揃えやサービスが調査のポイントですが、そのまま店舗活性化のために取り組むポイントともなります。

【第3回】競合店調査の実践的知識~競合店調査で調べる必須項目~店内編

ここでは品揃えに絞ってポイントを紹介していきます。

品揃えを見直す場合、設定したターゲットにマッチした品揃えや売場づくりを行うことが基本になります。高齢者がターゲットであれば少量パックの商品や健康志向の商品が好まれますし、揚げ物が中心となりがちな惣菜ですが、煮物などの和惣菜の品揃えが疎かにできません。ファミリー層がターゲットであれば買いやすい価格帯でボリュームのある商品や子ども向けの商品が好まれます。

基本的に競合店と比較する部門について、そのアイテム数や種類や特徴を調べ出し、自店と比較することから始めます。

例えば、競合店では惣菜の揚げ物コーナーの品揃えが15アイテムで、自店でも15アイテムと同数ですが、中身を見てみると競合店は肉、魚、野菜をバランス良く組み合わせた15アイテム、自店は肉と魚だけで15アイテムだったとします。すると、お客様から見た品揃えの印象は大きく異なります。このような場合、アイテムを増やす以外に、中身の種類を見直す方法も考えていきます。お客様の立場に立ち、状況に応じて適切な品揃えを模索する必要があるでしょう。

このような品揃え改善ですが、全ての部門やカテゴリーで取り組むには、多大な労力を費やす必要があるので、メリハリをつけて取り組むのが現実的です。最終的には競合店との差別化が目的になるため、まずは競合店の弱い部門やカテゴリーを見つけ出し、その部門やカテゴリーについて自店の売場を徹底的に強化していくことで差別化を図ります。

競合店の刺身の魚種や価格の選択肢が少ないのであれば、自店の刺身の魚種や価格のバリエーションを豊富にし、競合店の牛肉の部位や価格の選択肢が少ないのであれば、和牛、国産牛、交雑牛、輸入牛、等級などの組み合わせで買いやすい商品づくりを行う方法などもあります。お客様に、競合店よりも「刺身が良い店」「牛肉が買いやすい店」などのイメージをもってもらい、次第に他のカテゴリーにも改善の手を広げていくことで、最終的に「ライバルに勝てる店」につなげていくことを目指しましょう。 ほかにも、競合店が取り組んでいるサービスで、自社でも導入したほうが良いもの(例:配達サービスや障がい者対応など)があれば積極的に取り入れることも店舗の活性化につながりますので、意識して取り組むと良いでしょう。

従業員のモチベ―ションアップに活かす

競合店調査は従業員のモチベーションアップにもつながります。小売業では仕事の特性上、自店に籠りがちになりますが、自店や売場だけを見ていると視野が狭くなってしまいます。自店の売場を見ていても、従業員は自分の実力以上の知識を得られません。競合店調査を定期的に行い、実際にライバル店の売場を見て取り組みや工夫を知ることは、小売業で仕事をする上で大きな刺激になり、売場改善や店舗活性化のひらめきにも役立ちます。

とはいえ、なかなか店を空けることができないという事情もあると思います。そのため、従業員が交代で競合店調査を行う、誰かが競合店調査した結果は店内会議で報告して意見交換する、などの工夫をすると良いでしょう。このような取り組みは店舗のコミュニケーションの活性化や従業員のレベルアップにも効果的です。

小売店の売場は人で成り立っています。そこで働く従業員の活性化なくして、売場や店舗の活性化はあり得ません。競合店調査を効果的に使って、お客様に喜ばれ、ライバルに勝てる店づくりを目指しましょう。

まとめ

競合店調査は「ライバルを知る」「自店を知る」ことで、商圏における競合店との戦いに勝ち抜くための第一歩の取り組みであり、従業員のモチベーションアップにもつながります。ぜひ、定期的に取り組んでみてください。最後に、全体のまとめとしてのチェックリストを紹介します。競合店調査による店舗活性化にぜひ活用ください。


執筆者:株式会社ユーミックプロデュース 渡貫 久
中小企業診断士として、経営全般の相談や中長期経営計画の策定支援を専門分野に経営支援を行う。食料品小売業の経験が長いことから、食品系のマーケティング・販売促進・販路開拓・商品開発が得意分野。2006年から現在まで、公的機関や大学、民間企業において「マーチャンダイジング」「情報化」「ビジネスプラン作成」「商圏分析」「営業管理者研修」等の研修講師を務める。共著に『小売業のための利益改善&能力開発チェックリスト1000』がある。

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