コラム 販促・集客
広告効果とは?マーケティング担当が知っておきたい効果の測定方法を解説

2021年10月12日
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執筆者
フリーライター 依田武司

フリーライター 依田武司

広告代理店に38年間勤務をして、営業・媒体・国際事業部と様々な部署を経験しました。 その後は、フリーライターとして、広告・エンターテイメント・政治社会と幅広いジャンルに亘り、執筆活動を続けています。 広告代理店に勤務していた時は、顧客の要望に対して、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・折込チラシ・ネット広告と、すべての媒体を活用した方法を提案。また、顧客に広告で貢献するために必要なクリエイティブも合わせて提案。

広告を出稿する際、どのような広告効果を求めたらいいのか、その効果をどのように計測・分析したらいいのか、という点はとても悩ましい問題です。とはいえ、コストをかけて広告を出す以上、効果測定についてもきちんとした基準を持っておきたいところです。

この記事では、広告効果の測り方について、私が広告会社で学んだ経験を紹介します。自社の広告効果を評価するための判断材料にしてもらえたらと思います。

広告効果は、目的に応じて指標を設定することが大切

広告効果とは、広告を通じて商品を消費者に知ってもらう効果、そして広告が売上に貢献する効果を指します。施策を実施する前にどんな効果を狙うのかを判断し、広告を出した後でその効果を実際に計測・分析することは、マーケティング戦略を描く上で、非常に重要なステップです。

それでは、広告が持つ3つの効果を紹介しましょう。

  1. (単純)接触効果
  2. 心理効果
  3. 売上効果

それぞれ詳しく説明します。

接触効果とは

接触効果(単純接触効果)とは「ある情報に触れれば触れるほど、対象を覚え、好きになっていく効果」のことです。言い換えると「商品の認知度を高める効果」です。

商品を知らないのに買うお客様はいません。つまり、購入に繋げるためにはまずは知ってもらうことが重要です。消費者は、店頭でどの商品にしようかと悩んだ時、接触頻度の高い商品を選ぶ傾向があります。商品に対する信用があるからです。

心理効果とは

心理効果とは、「消費者に商品の良いイメージを持ってもらうことで、購入の動機付けをする効果」のことです。例えば、テレビ番組などで紹介されたタイミングで販売数が増加するのは、心理効果によるものです。

心理的な効果がどのくらいあったかを直接測定するためには、アンケート調査などを実施することしかできません。しかし「心理効果が高い広告手法」はいくつかわかっているので、その広告の効果を測定することで、消費者の心理にどれほど働きかけることができたのかを推し量ることが出来ます。

売上効果とは

売上効果とは「商品を購入してもらう効果」です。広告の根本的な目的は売上を上げるためなので、もっとも重要な効果となります。

広告を出稿していることに満足するのではなく、広告がきちんと売上につながっているかを評価するための指標を持っておくことで、広告の費用対効果を考えることができます。売りたい商品にとってメリットがある広告なのか、実はデメリットがあるのではないか、とシビアに見極めることが重要だと思います。

それでは、3つの効果が期待できる広告メニューと測定指標を紹介します。

「接触効果」が高い広告メニューと測定指標

接触効果とは認知度を高める効果だと説明しました。この効果が期待できる代表的な広告は「テレビCM」や「雑誌広告」です。

テレビCMと雑誌広告の特徴は、リーチできる人数の多さです。つまり、より多くの消費者と接触し、自社の商品を認知してもらうことが出来ます。

テレビCM

テレビCMの効果を測定する指標は視聴率です。その際、一定期間に流した世帯視聴率の合計値である「GRP(Gross Rating Point)」という指標を使うのが一般的です。

GRPとは放送されたCMの世帯視聴率の合計

世帯視聴率がわかると、CMを見てくれた視聴者数を計算することが出来ます。例えば、テレビの視聴率が13.5%だった場合の視聴者数を計算してみましょう。全国で13.5% × 世帯数5,333万 × 平均世帯人数2.33人 × 世帯内の90%の人がテレビを視聴しているとすると仮定すると、 = 約1,500万人にリーチできていると推定できます。

新商品の告知でテレビCMのGRPは2,000%がひとつの基準になると考えられています。なぜなら、GRP2,000%の広告を打つと、ほぼすべての消費者に商品を認知されると判断できるからです。

また、これまでは「世帯視聴率」が重視されていましたが、「個人視聴率」を重視する動きも生まれています。それは、国民に広く薄く認知されるよりも、商品のターゲットとなる年齢層に対して情報が届いて認知されることの方が重視される傾向があるからです。

新聞や雑誌

新聞や雑誌の広告の効果測定は、実際に読者が広告を見たのかを直接測ることができないため、発行部数が基準になっています。
代表的な雑誌例として「週刊文春」を見てみましょう。週刊文春の販売部数は、ABC公査の発表によると51.7万部あります。また、雑誌は店舗や待合室に設置されることも多く、回し読みをしてもらえるため、販売部数以上のリーチ力が期待できます。より多くの人に自社の商品を知ってもらいたいと考えた場合、とても有効なメディアです。

間接的にはなりますが、アンケートなどで商品名の認知度を調べることで広告効果を推測する事ができます。また、読者が興味を持つ商品なのかを調査する方法として、プレゼント企画の記事を掲載して、応募数を調べる方法もあります。懸賞マニアが何でも応募をしてくる場合もありますが、応募総数に対して自社商品への応募数を計算することで、需要の高さを推測することができるでしょう。

※2021年4~6月の平均印刷部数。日本雑誌協会が発表している印刷証明付き部数

「心理効果」が高い広告メニューと測定指標

心理効果とは消費者に商品の良いイメージを持ってもらうことで、商品を購入する動機付けをする効果のことです。

わかりやすい例を挙げると、好感度の高いタレントと一緒に映った商品のイメージが良くなるといったものです。自分が好きなアイドルや俳優と同じものを欲しいと感じるのは、ファンの自然な心理だからです。そのため、広告にタレントを起用する時に、タレントイメージを重要視します。タレント起用の効果は大きいのですが、タレントが不祥事を起こした際などは弊害も大きいので注意が必要です。

一方、消費者が媒体(メディア)に抱く好印象を利用する広告手法が、「タイアップ広告」です。広告費用を支払って商品を雑誌などのメディアに取り上げてもらう手法になります。通常の記事の見せ方と同じように見えるため、広告嫌いな消費者にも情報を届けやすいといった特徴があります。

タレントを起用した広告やタイアップ広告は様々なメディアで使われる手法ですが、テレビ・新聞・雑誌の広告効果を測定する指標は先程紹介しましたので、ここでは、インターネットメディアを使った施策を中心に紹介します。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーとは、主にSNS上で様々な情報を発信し、フォロワーの感情や行動に大きな影響を与える人物を指します。タレントやモデルなどの芸能人がインフルエンサーになることもありますが、分野によっては一般の方が大きな影響力を持つこともあります。

「インフルエンサーマーケティング」は、自社商品の購買層と近いフォロワーを持つインフルエンサーに、商品やサービスを紹介してもらう広告手法です。この施策を行う際に、最も重要なのがインフルエンサーの選別です。フォロワー数の多さで選ぶ企業が多いですが、フォロワー数だけではなく、普段どんな投稿をしているのかや、どんな発言をしているのかに気を配り、選ぶことが重要です。

インフルエンサーマーケティングの効果測定は、以下のようなものがあります。

指標 意味 アドバイス
インプレッション数(imp) 広告が表示された回数 どのくらいの人数にリーチできたのかを知ることができます。
エンゲージメント いいね!、コメント、リツイート数などのユーザーの反応 興味を持ってもらえた人数が分かるため、インフルエンサーと自社商品の相性を判断できます。
コンバージョン数 最終成果となる購入や申し込みの数 フォロワーと商品の購買層が合っていれば、CVが増えるはずです。

インフルエンサーマーケティングは、効果が表れるまでの期間が短いので、すぐに広告効果を判断することができます。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、テキスト、画像(動画)、そして音声などで作成されたバナーを、WEB上に表示させる、グラフィック広告のことを指します。タレントやアニメなどのキャラクターを用いたバナーを使うことで商品イメージを高める手法がよく使われます。

ディスプレイ広告では、ターゲットの年齢、性別、趣味嗜好等をセグメントして配信ができたり、ターゲットが近しいメディアにバナーを設置してもらう等、狙っているターゲット層に集中的に接触できるのが特徴です。

ディスプレイ広告の効果を測定する指標としては、以下のようなものがあります。

指標 意味 アドバイス
インプレッション数(imp) 広告が表示された回数 「広告が表示された=広告が目に触れた」ということで、認知を重視する際には重要な数値になります。
クリック数 バナーがクリックされた数 サイトへの誘導を測定できるので、興味の高さを計測できます。
コンバージョン数 資料請求、トライアルの申込、商品の購入など、今回目指している成果を達成した数 成果への効果を測定できます。

その他、配信先だけではなく、バナーのクリエイティブの良しあしを判断することも重要です。表示された数に対してどのくらいクリックされたのか?は、クリック数÷インプレッション数でクリック率(CTR)を割り出すことができます。

また、クリックはされたけど購入されていない場合も考えられます。その場合は、コンバージョン数÷インプレッション数orクリック数でコンバージョン率(CVR)を出してみましょう。

タイアップ広告

タイアップ広告は、媒体(メディア)が持つ信用力によって、掲載された商品に対する信頼感をアップさせることを狙う広告です。タイアップ広告を掲載する際には、「メディアが商品を薦めている」と読者が勘違いをすることを防ぐため、記事中に「広告」という表現を入れて、通常の記事とは異なることを明確に表す必要があります。

Webメディアのタイアップ広告の効果を測定する指標としては、以下のようなものが考えられます。

指標 意味 アドバイス
ページビュー数(PV) 記事広告が見られた数 他の記事に対して多いのか少ないのかを把握しましょう。一般的に広告記事はPVが低くなりがちです。一般記事と同程度のPV数であれば、読者の層があっていたと判断できます。
クリック数 記事内のリンクがクリックされた回数 記事を読み、興味があった場合は詳しいリンク先をクリックしてくれます。クリックの高さは、興味の高さを推し量ることができます。
クリック率(CTR) 記事が読まれた数(PV)のうち、どのくらいクリックされたのかの割合 記事が見られた数に対してクリックが多い場合は、記事の内容が理解しやすかったことや読者層があっていたことが考えられます。
コンバージョン数(CV) 記事から流入した人の商品の購入数や、お問い合わせ回数など 読者層があっていて、商品の特徴が理解し易ければ、CVも増えるはずです。

「売上効果」が高い広告と測定指標

売上効果が高い広告を打つために大事なのはニーズが顕在化している消費者に情報を届けることです。ダイエット効果がある商材の広告は「やせたい」と思っている消費者に届ければ、すぐに売上につながる可能性が高くなります。

テレビCMや新聞・雑誌広告は、広く消費者に伝えられるという特徴がある一方で、購入見込のない消費者にも情報を伝達することになります。認知が目的であれば問題ありませんが、直接売上を目標に掲げている場合は、ニーズが顕在化している消費者に直接アプローチできる「リスティング広告」や「折込チラシ」がおすすめです。

リスティング広告

「リスティング広告」とは、特定のキーワードで検索を行ったユーザーの検索結果画面の上部に広告を表示するものです。「検索」という能動的な行動をしているユーザーに情報を届けられるため、効率よく売上につなげられる広告手法です。

リスティング広告の効果を測定する指標としては、以下のようなものが考えられます。

指標 意味 アドバイス
クリック率 広告の表示回数(imp)に対するクリックの割合 広告が表示されている検索キーワードが適切か、広告文の表現がユーザーのニーズを捉えているかを知ることが出来ます。
平均クリック単価(CPC) クリック1回に要した費用 クリック単価は競合とのオークションで決まるため、人気の高いキーワードのクリック単価は高くなります。
コンバージョン単価(CPA) コンバージョン1件に要した費用

業界によって大きく異なります。商材と見合った単価でCVが獲得できているか検討しましょう。

広告の表示回数(インプレッション数)は広告費を増やせば増えることになるので、これだけでは広告の効率は分かりません。クリック単価やコンバージョン単価を測定することで、広告費が適切だったかを調べることができます。

また、成果につながらなかった検索キーワードへの出稿を抑え、逆に成果につながった検索キーワードへの出稿を増やすなど、日々改善を繰り返すことで、獲得単価を最適化していくことができます。H3: 折込チラシ

折込チラシ

「折込チラシ」も効率よく売上を上げやすい広告メニューです。折込チラシの特徴は、手に取る消費者が「オトクなものを購入したい」という期待を持っていることです。ある程度”買いたい気持ち”が高まっている消費者に情報を届けられるため、購入に繋がりやすいといえます。

そのため、チラシに掲載する商品の選別には注意が必要です。高額商品をチラシに掲載する際には、何らかのオトクな情報を追加すると良いでしょう。(例:住宅展示場のチラシであれば、来場者特典など)

折込チラシの効果を直接測定する指標はありませんが、以下のような指標を組み合わせて、折込チラシの広告効果を分析することになります。

指標 意味 アドバイス
クーポンの利用率 チラシにクーポンを付け、そのクーポンの利用率を計算する クーポンの値引きによって、売上の減少につながらないか注意が必要です。
配布エリアに住む顧客の来客数・売上変化 会員カードやハウスカードなどのデータを使って、配布エリアに住む顧客の行動変化を確認する 来店した顧客のデータを取得する仕組みが必要です。
顧客アンケートによる定性調査 来店時や接客時に来店動機を尋ねたり、顧客アンケートを取ったりする。 対応するスタッフの手間にならないような工夫が必要です。

折込チラシは、競合するチラシが多いか少ないかで反響の大きさに影響するので、効果が出ない場合は、チラシを折り込む曜日を検討するのがおすすめです。折込チラシは反響が良いと思われている曜日に集中するため、競合にぶつけるか避けるのかは、状況に応じた判断が必要となります。
折込チラシを実施する際には、電子チラシへの出稿も検討するのがおすすめです。電子チラシは、WEBサイト上でチラシを見ることができるサービスで、出稿側は紙で印刷したデータを活用することで、手間なくリーチを増やすことができます。

また、折込チラシでは効果の計測がしにくいですが、電子チラシであれば、どのエリアにお住まいの方が何人閲覧したのかなど様々なデータを取得することが可能です。

▶国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」とは?

まとめ

まったく同じように広告を打ったとしても、成功する時と失敗する時があります。それは、天気や社会的な状況などで、広告効果は左右されるからです。
100点満点の広告を目指して試行錯誤していたら、ある日200点や300点という予想外の結果を生む広告になることもあります。それが広告の面白いところで、難しい点かもしれませんが、それだけ力を注ぐ価値があることだと思います。今回の記事を参考に、ぜひ自社商品を効果的にアピールできる広告手法を探してみてください。

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