コラム 販促・集客
店舗の売上を上げる方法はたった3つ!商圏の顧客に愛される店舗になるには?

2021年06月24日
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執筆者
取材の匠 渡邉奈月

取材の匠 渡邉奈月

中小企業診断士、情報処理技術者。通信事業者のマーケティング担当者、プロダクト・マネージャーを経て財務分析業務に従事。最前線でのWebマーケティングの知見を活かし、中堅・中小企業のマーケティング戦略から制作までワンストップで支援。全国の商工会・商工会議所、民間企業、金融機関、自治体にてセミナー、研修を行い、マーケティングやITの普及啓発に努める。

売上アップのためには何をすればいいのでしょうか。

広告を出す、接客を良くする、魅力的な商品を仕入れる…もちろん全部正解です。その他にも世の中にはたくさんの手法があります。

しかし、時間も費用も限られる店舗運営においては、闇雲に努力してもなかなか効果は見えづらいもの。

本記事では、売上を上げる方法をシンプルに3つに分解し、それぞれの方法ごとに、具体的でお金のかからない施策のアイデアをお伝えします。

「店舗の売上」を上げるためには、3つの原則を外さない

売上をあげる方法は、たった3つしかありません。それは、(1)顧客「数」を増やす、(2)顧客の「来店回数」を増やす、(3)顧客「単価」を上げる、の3つです。

売上の因数分解の図。売上を上げるためには、①顧客を増やす②顧客単価を上げるの2つに分けられる。顧客を増やすはさらに①顧客人数を増やす②来店回数を増やすに分けることができる。

「売上」とは、この3つの要素から成り立っています。

売上=顧客人数×来店回数×顧客単価

売上とは集計した単なる数字でしかなく、姿形があるものではありません。「今日の売上は現時点でいくら?」と聞かれたとき、タブレットでリアルタイムに集計されるPOSデータを見たり、レジを締めて集計した結果を見たりします。よって売上をあげる具体的な行動を考えるには、売上の計算に使う要素を分解するとイメージが湧きやすいです。

さらにこの集計は、掛け算というのがポイントです。漠然と「売上を2倍にしよう」と考えると、「お客さんを2倍にしなければ」「商品数を2倍売らなければ」と、いくつもの高い目標が頭をよぎりますが、たった1つの要素が2倍になれば売り上げは2倍になります(例1)。もしくは、各要素が20%〜30%アップすれば、売上は2倍になります(例2)。

例1:2=1×1×2
例2:2=1.2×1.3×1.3

店舗によって、増やしやすい要素は変わってきそうですね。では、どこに着手すべきか、考え方を次の項で解説します。

自社が最初に取り組むべき施策は3つのうちどれ?

「成功事例と同じように施策をやったのに、結果が出なかった」。販促担当者なら、誰しも、このような苦い経験があるのではないでしょうか。結果が出なかった理由は、店舗ごとに状況が違うからです。自店の状況を踏まえた上で、3つの方法の優先順位を決めましょう。

それでは優先順位を決めるための具体的なステップを説明します。

ステップ1.集計

「顧客人数」「来店回数」「顧客単価」の3つの要素を集計します。

ステップ2.比較

集計した3要素を、

  • 過去(例:前年同期比、前年比、前月比)
  • 他の店(例:業界・業種平均、同一チェーンの他店舗、競合他社)

などと比較し、「増加/減少/横ばい」「高い/低い/同等」などざっくりとした傾向を把握します。

ステップ3.分析

特徴的な傾向について、理由を考えます。例えば、

【傾向】顧客人数、来店回数、顧客単価ともに過去5年ほぼ横ばいだったが、来店回数が前年比で50%割れて急激に減少
【理由】近隣に大手スーパーの新規店舗ができ、顧客が特売日に合わせ大手スーパーに行く回数が増え、自店への来店回数が減った

ステップ4.優先度の検討

この理由に応じて、3つの方法の優先度と方針を考えます。上記のケースでは、大手スーパーとの差別化が課題になりそうです。

●「顧客人数」:低(自店は以前から地域内の利用は多く、これ以上の増加は困難)
●「来店回数」:中(大手スーパーに行くのはある程度仕方ないとしても、月に2日は来店が増えるようにしたい)
●「顧客単価」:高(大手スーパーにない品揃えで、付加価値の高い商品の販売を増やしたい)

方針を立てたら、施策を具体的に検討していきましょう。施策にはさまざまな方法があり、多面的に検討する上で、また関係者に主体性を持ってもらう上で、アイデア出しの段階から店舗スタッフ、取引先、お客様などを巻き込むのもよい方法です。

では、次から、3つの方法ごとに、具体的な施策例をご紹介していきます。アイデア出しの参考にしてください。

顧客人数を増やすためのおすすめの方法

顧客人数を増やすには、新規顧客の獲得が不可欠です。

ここで突然ですが、「1:5の法則」をご存知ですか。これは、新規顧客の獲得には、既存顧客にリピートしてもらうコストの5倍かかるという法則です。自分に置き換えて考えてみても、馴染みの店と、全く新しく店では、馴染みの店の方が行きやすいのではないでしょうか。

1人の新規顧客が来店するまでには、

  • 知ってもらう(例:広告、折り込みチラシ、看板、呼び込み、プレスリリース)
  • 興味を深めてもらう(例:ホームページ、カタログ、説明動画、口コミ)
  • 不安や不都合を解消する(例:コールセンター、道案内、体験会)

など、さまざまな仕掛けが必要です。

具体的な考え方や方法は、以下の記事を参考にしてください。

ここでは、スマホを活用したコスパのよい施策を2つご紹介します。年々、消費者がスマホを利用する時間は長くなり、リアル店舗におけるスマホ集客の効果は非常に高まっています。ぜひ抑えておいてください。

おすすめ施策1:地図アプリ(Googleマップ)の情報を充実させる

Google(グーグル)マップの情報は自分で管理できる

スマホが普及し、私たちは「今何かしたい」と思った時に、スマホで「場所」と「業種名」で検索することが増えました。

旅先で、「(地名) コンビニ」「(地名) ランチ」などで検索したことはありませんか。すると検索上位にはホームページではなく、Googleマップの情報が出てきます。多くのスマホでは、Google検索が初期設定になっているためです。利用者は、その中から来店する店を探しますから、できるだけ正しく魅力的な情報を載せておきたいところです。

実は、この情報は、店舗オーナーやオーナーに許可された人なら「Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)」というサービスから、無料で登録、更新が可能です。

Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)の登録方法と最低限やること

Googleアカウントを取得(会員登録)し、電話やハガキなどで「オーナー確認」をすることで、Googleマップ情報の登録や更新が可能になります。

すぐにできて、最低限やっておきたいのは、「ビジネス名(=店名)」、「カテゴリ(=業種)」、「住所」、「営業時間」、「ビジネスの説明」、「写真(店舗外観)」の登録です。来店意向が高まっている人が、来店にあたって最低限知りたい情報といっていいでしょう。

さらに、継続して充実させたい情報として全業種に共通するのは「写真(外観以外も、できるだけ多く)」と「投稿」です。「写真」は検索結果に大きく関わります。また、「投稿」はホームページの「最新情報」の位置付けと同じく、顧客に売り場の活気が伝わります。新商品入荷のお知らせ、クーポンの配信、チラシの配信、イベントの告知など様々な使い方ができます。「写真」と「投稿」両方とも継続的に更新することが望ましいです。継続的な更新によって生み出される活気は、利用者の来店や口コミを促進させる効果があります。

おすすめ業種と成功事例

おすすめ業種は、全業種ですが、店舗を持っている業種(スーパー、ドラッグストア、家電量販店、ホームセンター、アパレル、美容院、学習塾・スクール、クリーニング店、飲食店等)は特におすすめです。

ここで、Googleマップを活用している成功事例を2つご紹介しましょう。
【事例1】Googleマップの標準機能を、ホームページで徹底活用(関東/スーパーチェーン)
Googleマップの標準機能を、ホームページにうまく取り入れている事例です。コロナ禍で3密への不安が高まった2020年4月、Googleマップで「混雑状況」がわかることをホームページで案内しました。また、各店舗ページには、Googleマップの口コミ、評価が掲載され、管理負担を下げながら鮮度の高い情報を充実させています。

【事例2】営業日初日の来店が0名→16名に(千葉県/個人経営日本料理店)
近隣にアウトレットモールがあり潜在顧客の多い料理店でしたが、ご高齢の夫婦が営んでおりWebの情報発信に着手できていませんでした。そこで、モールにショップカードを置き、GoogleマップやYouTubeの情報を整備した結果、元旦の来店が、前年0名から16名と大幅に増加。現在もモール近隣からの経路検索が平均月20件前後あり、Googleマップが来店促進に貢献しています。

おすすめ施策2:電子チラシサービスの利用

WEB・アプリでチラシを届ける「電子チラシ」サービス

近隣住民に店舗の存在を知っていただく手段の定石は、やはりチラシです。スマホの普及で、電子チラシサービスの利用者はここ数年急増しております。

他の手段と比較し、新聞を読まない世代にも届くこと、他店と比較しながら情報を得ようとする購買意向の高い利用者に情報が届くことなどが特徴です。

電子チラシサービスの利用方法と活用のポイント

電子チラシを提供する会社に利用を申し込むと、管理画面からチラシデータや各種情報を利用者に配信できるようになります。

まず手軽なのは、紙で配布しているチラシをデータにして配信することです。すると副次的な効果として、チラシの閲覧数、閲覧している層の傾向などがわかるようになります。これはWEBサービスならではの機能であり、施策の効果検証に使わない手はありません。

電子チラシサービスのうちの1つである「Shufoo!(シュフー)」では、チラシ以外にも、タイムライン、単品情報、クーポンなど、これまで限られた紙面では伝えることができなかった情報を、柔軟に配信できる機能があります。掲載商品の詳細を補足して興味を高めたり、タイムラインで売り場から顔が見える情報を配信することで、チラシで興味が高まった顧客を逃さず来店促進に結びつけることができます。

▶電子チラシ業界No.1のShufoo!(シュフー)とは?

おすすめ業種と成功事例

Googleマップと同様、店舗を持っている業種(スーパー、ドラッグストア、家電量販店、ホームセンター、アパレル、美容院、学習塾・スクール、クリーニング店、飲食店等)におすすめです。若年層・ファミリー層がターゲットの業種では特に相性がよいと考えられます。

ここで、電子チラシサービスを上手に活用している2事例を紹介しましょう。
【事例1】関東圏からの来場者数前年比121%(福島県/リゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」)
映画「フラガール」の舞台となったアミューズメントパークで、昭和41年に開業し、地元で親しまれる存在です。ヤングファミリー層が主な顧客であり、Web媒体の強化が課題でした。関東圏の顧客に、地域ごとに毎日内容を変えてチラシを配信すると夏休みの来場数が大幅に増加。紙に比べ、配布の手間とコストがかからないため、細やかなコミュニケーションが可能になった事例です。

【事例2】来客数2割増、主婦世代の認知に成功(埼玉県/酒類・飲料等の販売「酒商増田屋」)
埼玉県下で7店舗を展開し、提案型の接客を特徴とする酒屋さんです。折込チラシの効果も感じにくくなる中で、他店との差別化を、と電子チラシを導入しました。配信するのは社長の手作りチラシ。商品説明も豊富で、電子チラシでも提案型の”接客”が貫かれています。閲覧データは各店長に展開され、客層を意識した店舗経営にも貢献しています。

リピーターを増やすためにおすすめの方法ベスト5

来店回数を増やすには、継続的に顧客とコミュニケーションをとることが重要です。

ポイントは、日常的に利用される業種(スーパーやドラッグストアなど)では「来店する機会を作って知らせる」こと、ライフイベントに応じて利用される業種(学習塾・スクール、観光施設、高級飲食店等)では「商品・サービスが必要になった時に思い出してもらえる」ことです。

では、具体的な施策を見ていきましょう。

おすすめ施策1:LINE(ライン)で顧客と継続的なつながりを持つ

多くのスマホ利用者が日常的に利用するSNSは、継続的な接点を持ちやすい媒体の一つです。その中でも、LINE公式アカウントは友だち登録をした人に向けた配信が中心であり、一度、店舗を気に入ったお客様の囲い込みに向いています。

LINE活用のポイント

LINEで来店回数を増やすには、継続的なコミュニケーションが重要です。1日、1週間、1ヶ月という時間軸の中で、顧客のライフスタイルに最適な投稿タイミングがある一方、多忙な販促担当者においては「締め切りがないので後回し」「手が空いた時にやる」となってしまいがち。投稿をタイムリーに行うためには、1回の投稿における担当者の負担をいかに下げるかが課題となります。そんなときは複数サービスに同時に投稿できる連携サービスをうまく活用しましょう。電子チラシサービス「Shufoo!」では、Shufoo!の電子チラシを、LINE公式アカウント、Google ビジネス プロフィール、自社サイトなど多媒体に自動で連携配信が可能です。

▶詳しくは資料をご確認ください。

おすすめ業種と成功事例

若年層、ファミリー層、主婦層がターゲットの業種、予約・入会・サポートなど個別対応が必要な業種におすすめです。

ここで、LINEを活用した小売店の成功事例を紹介しましょう。

関東にある精肉店では、友だち登録時に特典をつけ、店舗でこまめに声かけをすることで、数年かけて2,000人を超える友だち登録を獲得。テイクアウトメニューをメッセージ配信すると、10分ほどで予約枠が埋まるなど、リピーターの来店頻度向上に成功しています。

おすすめ施策2:スタッフの顔が見えるSNS活用

SNSは個人がつながる媒体であり、人となりが感じられる投稿内容に好感が持たれる傾向があります。店舗への親近感は、再来店にあたって、またファン作りに不可欠な要素です。

SNS活用のポイント

経営者や役員であれば、会社の顔として個人のSNSアカウントを取得し販促を行いましょう。スタッフ個人のアカウントでSNS運用を行うことは労務管理が難しくリスクもありますが、公式アカウントにおいても、以下の工夫をすると、親近感が湧きやすい投稿となります。

  • 柔らかい文体で投稿する
  • スタッフの個人名や日常的な話題を添える
  • 架空のキャラクターを置く、など

おすすめ業種と成功事例

接客対応のある業種(小売業、飲食業、その他サービス業)、専門性などスタッフの技量が問われる業種(不動産業、習い事・スクール、保険代理店等)におすすめです。

SNSを活用して売上を上げている成功事例としては下北沢にあるお寿司屋さんが挙げられます。73歳の店主自ら、note(ノート)、Twitter(ツイッター)、Instafram(インスタグラム)のアカウントを運用。「おひとりさま歓迎」と柔らかい言葉で発信し、来店者は女性が7割になったそうです。

おすすめ施策3:次回使えるクーポンや回数券の発行

「利用しないと損をする」という気持ちが来店動機になります。紙媒体だけでなく、スマレジ、Stores予約、すまっぽん、LINE公式アカウント、Shufoo!などの店舗向けアプリ・サービスにもクーポンまたは回数券機能があります。

クーポンや回数券活用のポイント

リピートは「3回安定10回固定」と言われ、まず3回来店すれば、その後のリピート率がぐんとあがります。クーポン・回数券には期限をつけ、早期に3回の来店を目指しましょう。

ただし、コロナ禍では、社会情勢に配慮しながら柔軟に期限を運用することもお客様の信頼を得るには重要です。

おすすめ業種と成功事例

半年以内の再来店が望ましい業種(例:スーパー、ドラッグストア、飲食店、理美容、スポーツジム 等)におすすめです。

関東の美容サロンでは、お客様にとって施術の効果が実感できる10回分を回数券としてオトクに販売。期限を1年間とすることで来店が習慣づくと同時に、効果が出やすいためクチコミでの新規来店も増加しました。

おすすめ施策4:年間イベントに合わせたキャンペーンの実施

「父の日」「クリスマス」などの年間イベントは、お客様が予算を立てていたり、言い訳やご褒美の口実にしやすく消費の好機です。事前の検索行動も踏まえて、キャンペーンを案内します。

イベントに合わせたキャンペーン実施のポイント

競合が多いため、早期にお客様を囲い込んでおくことが重要です。米国のクリスマス商戦では、8月から小さなキャンペーンを繰り返して顧客と接点を持つ店舗もあります。後手に回らないよう、多忙な販促担当者は販促カレンダーなどを参考に、あらかじめ計画を立てて行動しましょう。

おすすめ業種と成功事例

贅沢品・嗜好品を扱う業種、競合より高単価を設定している生活必需品を扱う業種におすすめです。

イベントに合わせたキャンペーン実施で成功した事例としては、抗菌防臭機能のある肌着を製造・販売する大阪府の企業が挙げられます。「父の日企画 加齢臭下取りキャンペーン」では、購入時に「お父さんに体臭がある」「お父さんが好き」と伝えることで半額に。売上は通常の10倍を記録したそうです。

おすすめ施策5:別れ際の接客サービスに力を入れる

「リピートを呼ぶには、最高の顧客体験を!」。しかし、1人1人のお客様につきっきりで接客するのは多くの業種で困難です。印象を左右する「別れ際」が好印象になるよう、接客にメリハリをつけます。

別れ際の接客サービスのポイント

人の体験は、最も感情が高ぶった「ピーク」と、最後の「エンド」の印象に左右されます。旅館や高級ブティックにおける見送りは、この「ピークエンドの法則」を踏まえた接客です。回転率の高い業種でも会計時の一瞬に接客の機会があります。「丁寧」「明るい」「フレンドリー」・・・どんな印象を持たれたいかを逆算して、声かけや態度を検討します。

おすすめ業種と成功事例

接客を伴う業種、病院、治療院、ジム、学習塾、行列店など顧客体験に苦痛や努力が伴う業種におすすめです。

関東にある夫婦経営の飲食店では、リピート率が8割を超えています。退店時には、店内接客の手を止め、夫婦揃ってドア外まで見送り、お客様と会話。「素敵なご夫婦」「会話が楽しい店」と口コミからの新規来店も増加しています。

顧客単価を上げるためにおすすめの方法ベスト3

手軽にできすぐに効果検証できる施策を打ちやすいのが「顧客単価を上げる」方法です。

入店前に買うものを決めない「非計画購買」は、食品スーパーにおいては8割にのぼると言われ、POP、棚割、接客などで「買う商品数を増やす」または「高単価の購買を増やす」よう働きかけます。

今回はすぐに取り組みやすい「買う商品数を増やす」施策をご紹介します。

おすすめ施策1:”ついで買い”を促す

「買い物」中、お客様は買うか否かの判断で頭がいっぱい。高い緊張状態にあります。いざ購入を決断した後は、無防備になる心の働きがあり、これを「テンション・リダクション効果」といいます。この決断後の瞬間を狙って「ついでにいかがですか」と提案します。

ついで買いを促すポイント

お客様が決断した商品の総額より安いものを提案しましょう。「この金額ならいいか」とアンカリング効果が働きます。スーパーならレジ前のガムや飲料、車や保険の契約ならオプションの機能・サービスなど、関連商品やお客様のライフスタイルに馴染むものが提案として受け入れられやすいでしょう。

おすすめ業種と成功事例

高単価商品を扱う業種、買い上げ点数の多い小売業・飲食業におすすめです。

ある家電量販店では、屋外で楽しむスマホゲーム「ポケモンGO」の流行時に、特設コーナーを設置。スマホの販売台数が3倍になると同時に、モバイルバッテリーの販売数量も通常の6〜7倍になったそうです。

おすすめ施策2:”今買っておこう”と思わせる

人は損をするのを極端に嫌います。「今、ここで買わないと損をする」という気持ちを掻き立てるために、販売する「期間」「数量」「特典」を限定し、希少性を伝えます。

”今買っておこう”と思わせるポイント

単に販売を限定するのではなく、理由を添えると、お客様の心に響く訴求になります。お客様は賢く、売上をあげたいためだけの演出は見透かされてしまいます。「家族経営の生産者だから、わずかしか作れない」「梅が収穫できる時期は、この2週間しかない」など、日頃から、アンテナを張って、希少性のネタを探してみましょう。

おすすめ業種と成功事例

小売業、製造業、季節商品やライフイベントにまつわる商品・サービスを扱う業種におすすめです。

あるハンバーガーチェーンでは、人気ぬいぐるみの限定モデルを期間限定で販売。ある店舗では、接客時に「今なら、このぬいぐるみがテーマパークの半額以下で買えます」と声かけを徹底し、客単価2倍を達成したそうです。

おすすめ施策3:もうちょっと買えば楽!宅配サービスの活用

顧客に買い物かごを手渡すと、買う商品点数が増える傾向にあります。これは、運搬時の制約が取り払われるからです。これと同様に、店舗の商品を自宅に宅配するサービスを設けると、制約を取り払うことができます。

宅配サービス活用のポイント

「○円以上で宅配無料」など、金額を設定し特典を設けることで顧客単価を上げる方法もあります。採算性も考慮しながら、現在の平均顧客単価より高い金額で設定しましょう。

宅配ノウハウがない場合は、配送の専門業者と提携することで短期に導入が可能です。

おすすめ業種と成功事例

スーパー、コンビニなど一度の来店で複数商品を買う小売業、テイクアウト・配達に対応する飲食業、高齢世帯が多い地域、交通困難な地域にある店舗を抱える業種におすすめです。

ある商店街では共同で宅配サービスをスタート。商店街の中核スーパーの客単価は平均1,000円以下のところ、宅配サービスの利用者は平均3,000円。スーパー全体の売上と客数増にも貢献しました。

まとめ

売上をあげる近道は、決定打を放つことではなく、施策の掛け算です。(1)顧客「数」を増やす、(2)顧客の「来店回数」を増やす、(3)顧客「単価」を上げる、の3つの要素を少しずつ高めていくことでも、大きな効果を生み出します。自店の課題に沿って優先順位をつけ方針を立てたあとは、電子チラシサービスShufoo!を活用して効果測定をしながら自社に効果のある施策を見出しましょう。

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