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顧客満足度アップで優良顧客を増やそう!満足度が低い要因や改善方法とは?
日本の人口が減少する中、小売業界の競争はますます激しくなり、売上を維持することも難しい状況になっています。売上の源泉である顧客を維持し、新たな顧客を増やすためには、顧客満足度の向上が欠かせません。
ここでは、顧客満足度の定義や顧客満足度の調査方法、顧客満足度をアップさせる方法について解説していきます。
目次
顧客満足度とは?
顧客満足度とは、顧客が商品、サービスを利用した結果、どの程度満足したかを数値化したものです。英語では「Customer Satisfaction」、省略して「CS」と呼ばれます。
ある顧客が店舗を利用したとして、その本心は「とても満足した」という場合もあれば、「不満足だった」という場合もあります。行動だけ見ればどちらも「店舗を利用した顧客」ですが、その意味合いは大きく異なります。前者であればまたリピートするでしょうし、後者であれば次回は他店を利用したいと考えるでしょう。
店舗経営を考えるとき、お客様に来店していただくことがまず重要で、その結果が売上になるのですが、それだけでは安定した経営にはつながりません。お客様を次の来店につなげること、つまり「いかにリピートしてもらうか」が、店舗を安定して成長させるポイントになります。
しかし、顧客がリピートしようと思う要因はなかなかわかりません。そこで登場するのが「顧客満足度」です。客観的な判断が難しい「顧客満足」という概念を数値化することで、よりわかりやすく、比較しやすくなり、分析や検証も行えるようになるわけです。
顧客満足度を高めることは、お客様の増加や来店頻度の増加に繋がり、売上の増加へと繋がります。次の段落から、顧客満足度が高いとどんな効果があるのかを解説します。
顧客満足度が高いことのメリット
顧客満足度が高いこと、また顧客満足度を向上することにはどんな利点があるのでしょうか。ここでは四つのメリットを挙げます。
顧客のリピート率が高まる
顧客満足度を向上することの一つ目の利点は、前述のとおりリピート率が高まることです。顧客は生活の中でさまざまな店舗に接するわけですが、顧客満足度が高ければ「また来店したい」という思いが強くなり、他の店舗よりも積極的にその店を利用するようになります。
新規顧客獲得のコストを抑えられる
二つ目の利点は、上記の「リピート率」とも関係することですが、新規顧客を獲得して売上を上げるのと比較して低コストで売上に貢献できることです。
マーケティング用語で「1:5の法則」と言いますが、新規のお客様を獲得して商品を販売するコストは、既存のお客様に商品を販売するコストの5倍を要するといわれています。
新規のお客様を獲得する場合、まずは店舗を認知してもらうためにチラシやポスティングなどのコストが必要です。それに対しすでにお店を知っているお客様であれば、認知のコストは不要であり、DMやメールや店内POPなどでダイレクトに情報を伝えたり、購入率を高めたりすることが可能です。顧客満足度を高めて店舗のファンを増やすことで、コストを抑えた売上向上策に取り組むことが可能となります。
顧客の口コミでお客様が増加する
三つ目の利点は、口コミによるお客様が増えることです。
顧客がその店舗に満足している場合、周囲の知人や友人に店舗の良さを紹介するといったクチコミを積極的にしてくれます。更に紹介された友人が別の友人に紹介して…と、更なるクチコミの連鎖に繋がり、新しいお客様が増えるいい循環が生まれます。
知人同士の口コミ以外に、インターネット上の口コミ情報もあります。通販サイトで商品を買う前に口コミを見ることが一般的になっているように、最近では実店舗を選ぶ際にも「Google(グーグル)マップ」などの口コミをチェックすることが定着しつつあります。
いい口コミが増えれば顧客増につながります。
店舗への信頼度が高まり、顧客流出やクレームが減少する
四つ目の利点は、店舗への信頼度が高まることです。
顧客満足度が高い顧客は熱心なファンになるので、他店の利用、いわゆる「顧客の流出」が減少します。いくら新規の顧客が増えても、それ以上に既存の顧客が減ればトータルでの顧客数は減少してしまうので、顧客の流出を防ぐためにも顧客満足度の向上は重要です。
また顧客満足度が高まることで店舗への信頼も増し、店舗へのクレームが減少するといった効果もあります。
顧客との接点にはどんなものがある?
顧客との接点にはどんなものがあるのでしょうか。店舗だけでなく、店舗に来店する前の段階から顧客との接点があることを知っておきましょう。
店舗での接点
店舗は、顧客との接点の基本といえる場所です。
もう少し細かく見てみると、来店したお客様が店内をお買い周りされる際には「商品」「陳列」「ディスプレイ」「従業員」などと接触します。こういった一つ一つが接点と考えられるでしょう。
CMやチラシ広告での接点
店舗を訪れる前の顧客とも、接点を持つことができます。それはCMやチラシです。最近では電子チラシを利用するケースも増えていますが、これも紙のチラシと同様に接点の一つになります。
顧客は店舗を選ぶ前にCMやチラシを見て情報を入手し、店舗や品揃えやサービスをイメージして、「この店に行きたい!」といった判断を下します。そのためCMやチラシの情報量、回数、質の高さは店舗の選定に大きく影響します。
また店舗をイメージして来店したものの、リアルの店舗とのギャップが大きくて顧客の期待を裏切ることになれば、顧客満足度は低下することになります。
ホームページやSNSなどインターネットでの接点
インターネットが普及した現在では、ホームページやSNS、メールやアプリを使った情報発信も顧客との接点になります。この場合、情報の有益性が顧客満足度の向上につながりますが、情報が適正でない場合は逆効果になるので注意が必要です。
なおSNSの場合、顧客とのメッセージのやり取りも容易なことから、顧客とより密接な接点を持つことも可能です。ある青果販売店の事例ですが、Instagramで数量限定商品の案内を行ってメッセージで予約を受け付けたところ、顧客とのコミュニケーションが円滑になって順調に売上を伸ばしています。
顧客満足度が低い原因
顧客満足度が低い、上がらない要因としては、提供している商品やサービスがお客様の期待値に達していないことが挙げられます。
お客様は店舗を利用する場合に、その店への期待値を持って来店します。主な要素には「品揃え」「商品の質」「サービスの質」などがありますが、「品切れがある」「接客が悪い」なども満足度を下げる要因になるので配慮する必要があります。
また、評価基準はお客様の期待値によって相対的に変わることにも注意しましょう。その店舗に対する期待値が高い場合は、クリアするべき基準も高くなります。
例えば、ビジネスホテルに求められる接客とラグジュアリーホテルに求められる接客とでは、顧客の期待値は当然異なります。接客内容が同じだったとしても、ラグジュアリーホテルでビジネスホテル並の接客を受けたら顧客満足度を大きく下げることになります。
顧客満足度を調査する方法は?
ここからは、顧客満足度を調査する方法を具体的に紹介します。
アンケートによる調査方法
顧客満足を調査する方法として、まずはアンケート調査(定量調査)を実施することをお薦めします。
定量調査とは、集めたデータを数値化し、統計学的に分析する方法です。来店したお客様に紙のアンケート用紙を渡してその場で記載していただいたり、郵送して返信していただく方法があります。またはDMやチラシにQRコードを付け、インターネットで解答するパターンもあります。
【メリット】
- 調査が簡単
- 数を多く集められる
- ターゲットを選択できる
- 面と向かってお客様が言いにくい情報を集められる
【デメリット】
- 集計や分析にある程度のノウハウが必要
- アンケートの謝礼として多少のコストが掛かる
- 詳しいニーズ等が調べにくい
アンケートをする際には、まず最初にある程度の仮説を立てることが重要です。例えば「顧客は当店を安い店だと思っているのではないか」といった仮説を立てて、それが正しいかを検証していきます。
またスーパーマーケットであれば、部門ごとの評価を調査するのも効果的です。
例えば「青果」「食肉」「鮮魚」「惣菜」などの部門ごとに満足度を5段階で評価してもらい、その平均点を比較すれば、どの部門の評価が高いかが明確になります。さらに部門ごとの評価項目(価格、鮮度、品質、品揃えなど)も回答してもらえば、その部門のどういった項目が顧客の満足度を高めているかがわかります。
アンケート調査でわかった内容についてモニター会議(後述)を行い、具体的な顧客ニーズを深堀することで、顧客満足度向上につながる店づくりのヒントが得られる可能性が高いです。
モニター会議による調査方法
アンケートでは把握が難しい、顧客の深いニーズを調べられるのがモニター会議の特徴です。先ほどの定量調査に比べて、「定性調査」と呼ばれ、数値化できない生の行動や言動を探る調査方法です。
実際の顧客を数名集めて「いい点」「悪い点」「店舗に関する要望」「こんなサービスがあったら嬉しい」といった内容についてヒアリングしていきます。直接話すことで、アンケートには記載しないような詳しい内容や、思ってもいなかった情報を知ることができます。
実例を一つご紹介しましょう。
惣菜の小分け販売を行っている店舗でモニター会議を開き、商品についてヒアリングを行いました。その中で、単身の高齢の顧客から「バラ売りは高いから買わない。5個パックの方が安いから買いたいが、種類が同じなので買えない。違う味の5個の組み合わせを作って欲しい」という意見が出ました。店舗側から「お一人で5個は食べきれないのでは?」と質問したところ、「冷凍して一個ずつ食べるから大丈夫」との返答がありました。それは店舗側には思いもしなかった意見であり、その後実際に、違う味を組み合わせた5個パックを製造するように改善しました。この施策自体は大きな取り組みではなく売上への効果は軽微と思われますが、実際に利用するお客様は多く、ロスが減るなどの効果が見られました。
モニター調査を行う際の注意点としては、「モニターの属性(主に年齢)に偏りがないようにする」「コミュニケーションスキルと店舗知識のある司会者を用意する」などがあります。
モニターへの謝礼として自店の商品券などを配れば、来店にもつながります。実は参加したモニターが店舗のファンになることも少なくなく、顧客満足度の向上に取り組む上でも有効な手法といえるでしょう。
顧客満足度をアップする方法3つ
では、顧客満足度をアップするにはどうしたらいいでしょうか。ここでは3つの方法を紹介します。
顧客ニーズに合った店づくり
顧客満足度をアップするには、顧客ニーズに合った店づくりが欠かせません。前述のアンケートやモニター会議によって顧客ニーズを把握し、よりよくするための改善ポイントを見つけましょう。
接客に課題が見つかった場合は、従業員教育やマニュアルの整備などに加えて、従業員のモチベーション向上も欠かせません。従業員満足度を高めることで、従業員が楽しく意欲的に働いてくれるので、結果的に顧客に与える印象も向上させることができるでしょう。
情報発信の適正化
SNSの活用など、情報を適正に発信する施策も欠かせません。顧客の興味を刺激するチラシを作成したり、SNSやアプリなどを使って顧客にとって有益な情報を発信したりすることで、店舗に対する期待感は高まります。
SNSの場合、投稿だけでなく顧客と直接メッセージをやり取りすることも可能ですInstagramを使ってお得な情報を発信したり予約を受け付けたりすれば、顧客は情報を楽しみ、顧客満足度は向上するでしょう。
定期的な顧客満足度調査で顧客満足度アップ
「顧客ニーズに合った店づくり」「情報発信の適正化」によって顧客満足度は高まりますが、そのアクションによってどれだけの効果が出たのかがわからなければ、更なる向上には取り組めません。
そのためには、アンケートなどによる調査を定期的に実施することが不可欠です。「店への評価に変化があったか」「部門に対する評価はどう変わったか」などを定期的に確認することで更なる改善点を把握することができ、次のアクションを検討することが可能になります。
Shufoo!のアンケート機能で顧客満足度を調査できる
電子チラシサービスのShufoo!(シュフー)では、オプションメニューとしてシュフー会員やアプリユーザーにアンケートを取ることが可能です。
たとえば、Shufoo!で広告を配信し、広告に接触したユーザーにそのクリエイティブの印象や実際に購入・来店に繋がったかの調査を行ったり、買い物行動圏を指定し、自社のお店の印象や来店の有無などを調査するなど、他メニューとの組み合わせ方で様々なアンケートが可能です。
▶アンケートに関する問い合わせはこちらよりお願いいたします。
まとめ
顧客のニーズにお応えすることは顧客満足度の向上につながります。今回ご紹介した顧客満足度の調査方法と、顧客満足度を向上する方法を実践することで、着実な効果が期待できます。
店舗を向上して成長させるには、常に新しいことに取り組み続ける必要があります。その手がかりとして「顧客満足度」を活用してみてはいかがでしょうか?