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広告の費用対効果の計算方法!ROAS・ROI・CPAの活用方法を解説
広告施策を行う際、費用対効果を正確に把握して、次の施策に活かしていくことがとても重要です。
本記事では、広告の費用対効果を見える化するのに重要な3つの指標、「ROAS」と「ROI」、「CPA」について、それぞれの特徴や活用方法、使い分けの方法などについて紹介します。
目次
まずは「ROAS」で売上に対する広告の貢献度を計算しよう
広告の費用対効果を測る指標で、まず抑えておきたいのが「ROAS」です。
ROASとは”広告費1円あたりの売上額”
ROASとは、「Return On Advertising Spend」の略称で、かけた広告費に対して、どれだけ売上をあげることができたかを%で表す指標です。
ROASは一般的に、以下の計算式で算出します。
ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%)
仮に、広告費を15万円使って100万円の売上が得られた場合は、
ROAS=100万円(売上)÷ 15万円(広告費)×100%=667%
となります。
「667%」と言われてもピンとこないかもしれませんが、これは広告費1円で6.67円売上げたことを意味します。ROASからは、広告費1円あたりの売上額がわかるので、広告による”売上の貢献度”を測ることができます。
ROASを活用するメリット
ROASを活用するメリットは以下のように挙げられます。
- 広告施策ごとの費用対効果を可視化できるので、より効果の高い施策に予算やリソースを振り分けるなどの判断ができます。
- ROASが低下していることに気づいたタイミングで、売上を増やすか、広告費を抑える策に動き出すことができます。
- 広告運用による売上予測にも活用できるので、中長期的な資金計画や経営戦略にも反映できます。
ROASを活用する上での注意点
ROASを活用する際に注意すべきポイントもあります。
- 売上や広告費は常に変化するので、リアルタイムに数値を把握して、継続的にチェックする必要がある指標です。
- ROASは売上に対する広告効果なので、ROASが高くても利益がマイナスになる可能性もあります。そのため、ROASの確認とともに、利益の効果を把握する「ROI」の確認も行うようにしましょう。
ROASの弱点を補ってくれる「ROI」もチェックしよう
ROIとは、「Return On Investment」の略称で、投資利益率と呼ばれます。かけた費用に対して、どれだけの利益があったかを%で表す指標です。
ROIは一般的に、以下の計算式で算出します。
ROI = 利益 ÷ 広告費 × 100(%)
仮に、広告費として15万円をかけて、利益が30万円出た場合は、
ROI=30万円(利益)÷ 15万円(広告費)×100=200%
となります。
ROASが「売上」に対する費用対効果を判断できるのに対し、ROIは「利益」に対する費用対効果を判断できる指標です。
ROASでは100%を超えても利益が出ているとは限りませんが、ROIは100%が損益分岐点となり、100%を超えると利益が出ていることになります。広告の費用対効果を正確に把握してマーケティングや営業活動に活かすには、ROASとROIの両方を確認して、ROASを高めながらROIを100%超えにすることを目指すことが重要です。
次に「CPA」で施策ごとの効果(コスパ)を考えよう
広告の費用対効果を図る指標としてもう一つ抑えておきたいのが「CPA」です。ROASは施策の全体的な効果把握に適していますが、個別施策の効果検証は難しい面があります。一方、CPAは個別の施策の効果検証に向いているので、ROASを改善したい場合の具体的な施策を検討するのに適しています。それではCPAの計算方法や使い方を解説します。
CPAとは”顧客を獲得するのにかかったコスト”
CPAとは、「Cost Per Acquisition」の略称で、顧客獲得単価のことです。1回の成果(資料請求や購買など)や一人の新規顧客を獲得するのにかかったコストのことで、数値が低いほど費用対効果が高いと判断します。なお、WEBマーケティングにおいては、成果のことを「コンバージョン(CV)」と呼びます。
CPAは一般的に、以下の計算式で算出します。
CPA = コスト ÷ コンバージョン数
例えば、広告費を10万円使って、顧客の来店人数が50人増えた場合は、
CPA = 広告費10万円 ÷ 獲得人数50人 = 2,000円
となり、2,000円で1人の来店客数を獲得できたことを意味します。
CPAを活用するメリット
CPAを活用するメリットは以下のように挙げられます。
- 資料請求数や新規客獲得人数、購買数など、さまざまな成果をコンバージョンとして設定してCPAを計算することができるため、どの成果の効率がよく、改善が必要なのかを詳細に把握することができます。
- 同じコンバージョンに対するCPAを、広告別に比較できるので、どの媒体の獲得効率がいいのかを判断出来ます。
CPAが上がると利益が圧迫され、下がると利益が増加するため、利益を判断する上で重要な指標です。たとえコンバージョン数が多くても、CPAが高い場合は、成果1件にかかるコストが高いことがわかり、対策が必要です。
CPAを活用する上での注意点
利益を増やすためにCPAを低くしようとして、広告費などを削減すると、その広告からの流入数が減り、コンバージョン数が減少する可能性もあります。
CPAは、広告効果を測る重要な指標ではあるものの、あくまでも目安のひとつです。自社の施策を効果的に行うには、コンバージョン数や利益のバランスが大切なので、適切な数値を設定するようにしましょう。
広告の費用対効果を上げるためのポイント
広告の費用対効果は、ROASやCPAを活用して判断しますが、その指標を活かして効果を上げる方法としては、費用を抑えることと、効果を高めることの2点が挙げられます。
費用を抑える対策としては、例えば以下のような策があります。
- より安価で成果に結びつく施策を検討する
- ツールの導入などで業務の効率化を行い広告費を削減する
一方、効果を高めるには、以下のような検討を行いましょう。
- 配信を行うメディアやプラットフォームの見直し
- 広告クリエイティブの改善
- ターゲティングの再確認
- 広告から流入してコンバージョンにつなげるための導線の最適化
- アップセル・クロスセルの提案
電子チラシの集客単価は紙のチラシよりも低い?!
広告施策としてチラシを実施・検討している方に知ってもらいたい媒体として、「電子チラシ」があります。電子チラシとは、WEBサイトやアプリ上でお店のチラシを見ることができるサービスです。
国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」で実施した来店調査によると、折込チラシとShufoo!の一人当たりの集客コストは、Shufoo!の方が低いというデータが出ています。
Shufoo!ユーザーの約7割が新聞の非購読者であり、自らチラシの情報を集めている能動的なユーザーのため、行動に移りやすいといえるでしょう。
まとめ
広告の費用対効果を把握するには、売上に対する広告の貢献度を確認できるROAS、利益に対する費用対効果を把握できるROI、施策ごとのコスパを把握できるCPAを目的に合わせて使い分けましょう。これらを効果的に使うことにより、広告効果の最大化だけではなく、予算やリソース配分の最適化も実現します。
いずれも、自社が扱う消費やサービスなどによって、2指標それぞれの適切な目標値が変わるので、自社の状況に合わせた数値設定を行うようにしましょう。