コラム お役立ち情報
PayPayを使ってお買い物増加中! 「スマホ決済」のこれから

2019年04月24日
※掲載内容は公開日時点の情報です。現在と異なる場合がございます。
このエントリーをはてなブックマークに追加

最近、色んなところで見る機会が多くなりましたね、QR決済の「PayPay」。小売業・飲食業にとどまらず様々な業種で採用されているようです。
12月4日スタートの「100億円あげちゃうキャンペーン」と 2 月 12 日スタートの「第2弾100億円キャンペーン」のインパクトは大で、1回目は、約4ヶ月のキャンペーン期間を想定していたのに、わずか10日間での終了となったことも話題となりました。

先日も広島にて、ここ数年で人気となった広島駅近くの「エキニシ」飲食エリアのカウンター席が7席のとある飲み屋さんにて、ふと見ると壁にPayPayのQRが貼ってありました。

そこで決済後にマスターに「今まで私でPayPay支払いは何人目ですか?」とお伺いしたところ「(約3ヶ月の間に)お客さん、3人目ですよ。」とのことでした。

また先月、神奈川県内の駅直結の年商367億円(2017年)のショッピングセンター「ららぽーと海老名」に出店しているスーパーマーケット「ロピア」にも「PayPay」が導入されていました。

非上場のスーパーマーケットですが、最近もメジャーな流通誌にも取り上げられており注目度は抜群です。
年商は2019年2月期1340億円(見込み)(前年対比 114.5%)・2018年2月期1167億円(前年対比 122.3%)・2017年2月期954億円と業績は絶好調です。

こちらの企業の販促の大きな特徴の一つは、イマドキ珍しい「カード」「ポイント付与」等の実施なしの「支払いは現金のみ」で「ショッピングセンターのカードも使用不可」なことです。

ところがビックリしたことに、ここ最近「PayPay QR決済でお得にお買物しちゃいましょう!」とデジタル販促を強化する方向にシフトし始めました。
そこで今回のレポートのテーマは、小売業のスマホ決済(QR決済)を調べようと思い立った次第です。

1.QR決済利用率は、「7.9%」!

出典:2018年6月26日 第29回インターネット消費者取引連絡会 「キャッシュレス決済の多様化の動向整理」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)より

キャッシュレス決済の多様化の動向整理(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 2018年6月26日)の「QRコード決済(認知・利用状況)」によると、QR決済の利用率は7.9%で、やはり「20代」「30代」の利用率が高い傾向です。
よく知られたデータですが、日本のキャッシュレス決済比率は、「18.4%」となっており、「韓国89.1%」「中国60.0%」「カナダ55.4%」等の上位国と比較すると、低い数値となっております。(ドイツは日本より低い14.9%)

出典:経済産業省 キャッシュレス・ビジョン(2018年)より(公開終了)

これを2018年6月の閣議(未来投資戦略2018)によって2027年6月までにキャッシュレス決済比率を「4割程度」に目指すことが発表されました。

2.小売業・飲食業のQR決済の導入メリットを考える!

1)「現金管理コスト」削減

日本経済新聞記事「脱現金、VISAが反抗、タッチ決済、イオン系1.6万店で、中国勢と訪日客争奪」によると、

「イオンリテールではキャッシュレス決済比率が約7割に上る。ただグループ全体で約5割にとどまる。」

出典元:2018年4月17日 日本経済新聞朝刊「脱現金、VISAが反抗、タッチ決済、イオン系1.6万店で、中国勢と訪日客争奪(ビジネスTODAY)」より

とあります。

また2017年の株主総会にてローソンの代表取締役竹増貞信氏は、

「店舗では現金のお客さまが75%を超えている。」

出典元:2017年5月30日 産経ニュース「【ローソン株主総会詳報(2)】「からあげくん31年間、作り方変わらず」社長、機械化に意欲 株主は銀行業参入に疑問」より

との発言がありました。
小売業で扱われる現金は、当然「小銭」が多いと想定されます。

ざっくりとした表現ですが、小売業の売上高の半分から約7割の「現金」管理には、膨大なコストが発生しています。そこでQR決済等の導入によって、管理コストの削減が期待できます。

2)「インバウンド」対策

アリペイを提供するアントフィナンシャルサービスグループの春節期間(2月4日~10日)の日本での中国人観光客に関する「支出」「モバイル決済行動」の調査結果は興味深いものでした。

①日本での全体動向
 取引高  2.6倍(2018年同期比)(世界3位)
 取引額  2.7倍 (2018年同期比)
 1人当たり平均消費額  34%増 (2018年同期比)

②コンビニエンスストア
 取引高  2.5倍 (2018年同期比)
 ⇒2018年1月末 ファミリーマートが1万8千店舗に「Alipay」導入

③ドラッグストア
 取引高 7.1倍 (2018年同期比)
 1人当たり平均消費額 18%増 (2018年同期比)

参考:アリペイ ニュースリリース 2019年2月19日 2019年春節期間における、中国人観光客の消費傾向を発表

3)クレジットカードに比べて「手数料・導入」コストが低い

小売店や飲食店が支払う一般的な決済手数料
 ①クレジットカード          3~5%
 ②QR決済                    (現状は)企業によっては3年間0円

4)Eコマース等からの「送客」が期待できる

IT・Eコマース企業(楽天・ヤフー・メルカリ・アマゾンなど)のアクティブ会員からの送客が期待できます。またQR決済による顧客動向も従来のデータにプラスすることによって、よりコアなターゲティング広告を打つことも可能となります。

まとめ

1.まだまだ利用率の低いQR決済ですが、今後も提供企業の大型キャンペーンを中心にして利用率が上がることが予測されます。

2.まずは、消費税増税対策の一貫で中小の小売業・飲食業を中心にQR決済導入が進み、今後は、自社の「ポイントカード」「クレジットカード」「アプリ」のインフラを持っている大企業の動向が注目されます。
セブン&アイでは、「7pay」をセブン-イレブンアプリに先行導入予定が発表されました。

<著者>
株式会社マーケティングラボ 代表取締役 中村 仁
東証一部上場スーパーマーケット勤務後にコンサルタント活動開始。2007年株式会社マーケティングラボ 代表取締役に就任。GMS・SM・メーカー等の「マーケティング」や公的機関の「派遣事業」等を中心に常に「リアル」「現場」に基づいた情報を提供。

あなたに合った集客方法をご提案します

ページトップへ