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リテールテックJAPAN2019 今年のオサエドコロ

2019年04月24日
※掲載内容は公開日時点の情報です。現在と異なる場合がございます。
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1.リテールテックJAPAN2019「来場者数」前年比106.6%!

リテールテック2

2019年3月5日から8日の4日間に東京ビッグサイトにて、流通業のサプライチェーンとマーケティングを進化させるIT機器・システムを紹介する展示会「リテールテックJAPAN2019」が開催されました。

期間中の来場者数(Future Office Tech&Facility2019も含む)は、「12万7871人」で「前年比106.6%」とのことです。  私も2日間ほどお伺いさせて頂きましたが肌感としても「大」盛況でした。

2.「AI」と「動画コンテンツ」

この記事はネット情報ですので、常に「鮮度」感のある情報をお届けするのが使命と考えておりますので、別ネタですが、2019年4月3日から5日にて、同じ会場で開催された「第5回コンテンツ マーケティングEXPO」「第3回 AI・人口知能EXPO」等も盛況だったことをお伝えしておきます。

特に今年は、出展者が多かったためか「AI・人工知能EXPO」は、東京テレポート駅横の「東京ビッグサイト青梅展示棟」(ビッグサイトに別棟があるのは初めて知りました…)の開催で私がお伺いした時間帯の会場は、「満員電車」状態でした。

東京ビッグサイト青梅展示棟

「コンテンツ マーケティングEXPO」の今年のポイントは、次世代移動通信システムが「4G」から「5G」へ移行する環境下で、やはり「動画」コンテンツの提案が多かったですね。 (機会があればまたレポートいたします!)

3.リテールテックJAPAN2019のソリューションの「先」にあるものは?

それはさておき、今年のリテールテックJAPAN2019の会場図を俯瞰すると、企業別には、東1ホールの入口当たりに展示スペースを大きく陣取っているのが「NECグループ」「東芝TEC」「富士通/富士通フロンテック/富士通マーケティング/PFU/富士通エフ・アイ・ピー」「日立グループ」「サイバーリンク」「大日本印刷/日本ユニシス」「ビジコム」「パナソニックグループ」がここ数年の「真打」となります。

リテールテック3

一方で、これらのすべての企業の展示スペースと東3ホール入口当たりで同等にコマを取っていたのは、去年に引き続き注目度が高い「決済・カード&レジ・周辺機器」の企業群です。
ザックリと言うと「QR決済」「スマホ決済」関連ですね。

さすが、今の「旬」ネタで「熱気」を感じました。ただしアナログ派の私の実感としては、海外も含めて色んな決済事業者(いわゆる〇〇Pay)が増えすぎて、各社の特徴を「B」も「C」も把握しきれない感じでしょうか。

リテールテック4

そこで、今アメリカでブレークしている「こんまり」さんの整理整頓術に敬意を払って、まずは今回の展示企業のキーワードをランダムにピックアップしてみようと思います。

1)コード決済(QR・バーコード決済)
2)複数QRコードまとめて決済
3)キャッシュレス化
4)モバイル予約・決済サービス
5)Amazon Go型(省人型)店舗
6)Smart Store
7)次世代型ロボット店舗
8)デジタルシェルフ
9)ダイナミックプライシン

10)オムニチャネル
11)オンラインとオフラインの融合
12)表の競争力と裏の競争力
13)AI分析
14)顔認証・音声認証・指静脈認証
15)VR教育システム
16)カートPOS
17)チラシ広告動画化
18)客動線・カスタマージャーニーの可視化
19)MA運用
などなど…

やはり多くのソリューションの向かう先としては、当たり前ですが「人手不足解消」「省人化」ですね。

特に日本においては、人口減が加速する地方の小売業にとっては待ったなしの課題となります。  象徴的なことは、毎年ニューヨークで開催される世界最大の流通業ITイベント「NRF(全米小売業協会)2019」(2019年1月13日~15日)では、今まで日本からの参加者はIT系の方々が多かったのですが、今年は、国別参加者数で、初のトップ10入りの日本は「500名」参加で、「小売業のエグゼクティブ」の参加が多かったとのことです。

4.そこで売上高上位の小売業の「人件費」データをチェック

「人手不足解消」「省人化」が多くの小売業にとって大きな「課題」ですので、売上高上位の日本を代表する小売業の「決算説明会」資料に「人件費」データを発表している企業をピックアップしてみます。

1)ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
 2019年2月期決算概要(U.S.M.H連結) (前期比)
 ①売上高 0.3%増・営業総利益 1.3%増・販管費 2.6%増
 ②人件費 1.2%増→新規出店による人員増や採用時給の上昇等による
 ③会計システム等のインフラ統合やデジタル化による業務効率化

2)株式会社ビックカメラ
 2019年8月期第1四半期決算(連結) (前期比)
 ①売上高 4.5%増・売上総利益 3.2%増・販管費 3.8%増・人件費 2.0%増
 ②営業利益 -5.1%減

3)エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社
 2019年3月期第3四半期決算(連結) (前年比)
 ①売上高 1.6%増・営業利益 -9.4%減
 ②人件費 -0.3%減

4)株式会社ニトリホールディングス
 2019年2月期決算(連結) (前年比)
 ①売上高 6.3%増・粗利益高 5.3%増・販管費 4.2%増
 ②営業利益 7.9%増
 ③人件費 7.2%増

5.まとめ

①今年のリテールテックJAPAN2019は前年に増して「QR決済・スマホ決済」テーマが充実していました。

②人口減の「未体験ゾーン」に突入する日本では、やはり「人手不足解消」「省力化」のソリューションが求められます。

③日本を代表する小売業(SM・家電・百貨店・HC)の直近の決算書の「人件費」に関するデータをチェックしたところ、多くの企業で人件費「増」傾向でした。

画像協力:日経メッセ 街づくり・店づくり総合展 リテールテックJAPAN 2019

<著者>
株式会社マーケティングラボ 代表取締役 中村 仁
東証一部上場スーパーマーケット勤務後にコンサルタント活動開始。2007年株式会社マーケティングラボ 代表取締役に就任。GMS・SM・メーカー等の「マーケティング」や公的機関の「派遣事業」等を中心に常に「リアル」「現場」に基づいた情報を提供。

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