コラム
販促・集客
行動させるキャッチコピーの作り方|心理学を活かしたテクニック8選
「キャッチコピーの作り方がわからない」「集客できる例文が知りたい」という悩みを解決するため、広告代理店で数多くの経験を積んできた筆者がノウハウを伝授します。プロが教えるコツを生かして、ターゲットを振り向かせ、集客できるコピーに挑戦しよう!
目次
集客できるキャッチコピーは2種類
ひとことで「集客のできるキャッチコピー」といっても、キャッチコピーには下記の2種類があり、効果は異なります。
「注目を引く」キャッチコピー
CMなどの広告やECサイト、店頭POPなどで見かける、印象的なキャッチコピー(イメージコピー)。企業や商品のブランディングなどに使われることが多く、不特定多数のターゲットを振り向かせ、関心を引き寄せるのが目的となります。
すぐに集客につながるわけではないですが、消費者の心に残るため、後に「この商品を買おう」「あの店へ行こう」と後々に集客できることが期待できます。
「行動させる」キャッチコピー
Web広告やECサイトの広告や資料請求など、直近の行動に導いたり、行動させたりするためのキャッチコピーをセールスコピーといいます。
顧客にきっかけや気づきを与え、購入などの最終目標までスムーズに誘導するのが重要な役割となり、万人受けのものよりも、届けたいターゲットを絞り込むことで効果を発揮します。
セールや特売情報など、行動してもらうことを目的とする場合のキャッチコピーは、後者です。奇抜さやかっこよさよりも、「行動する」イメージができることが大切です。
集客するキャッチコピーの作り方
前述の通り、行動させるためのキャッチコピーは、「誰に」「何を」「どうして欲しいのか」ということを考えながら作っていかなくてはいけません。
STEP1.「誰に」=伝える相手を明確にする
最初に、キャッチコピーを「誰」に伝えるかというターゲットを明確にします。自社商材のターゲットは、以下のような項目によるペルソナ分析で、人物像を明らかにしておきましょう。
<ターゲットを考える際の切り口の例>
属性 | 性別・年齢・職業・年収・居住地 |
ライフスタイル | 趣味・嗜好・購買行動 |
価値観 | 性格・生活信条・関心事 |
自社商材に関連する悩みや解決したい課題 | 例:ドライヤーを売りたいなら、髪の乾燥や傷み、毛量、髪質に悩んでいる層など |
STEP2.「何を」=伝える強みを抽出する
続いて、ターゲットの悩みや課題を解決できる、自社商材の強みを書き出します。ペルソナ分析を行ったターゲットが必要としている強みや、自社商材で与えられるベネフィットを明らかにして、競合他社とも差別化できる要素に絞り込んでいきます。強みは、以下の視点で整理してみましょう。
<強みを考える際の切り口の例>
品質 | 先進機能、業界初の成分、専門性、実績 |
価格 | 業界最安値、高いコスパ |
利便性 | 簡易性、使いやすさ、1台3役 |
STEP3.「どのように」=強みをキャッチコピーにする
ターゲットに対する訴求要素が決まったら、どのように伝えるかを決めていきます。ターゲットの関心を引き、商材の強みやベネフィットを的確に伝える言葉を、いくつも挙げてみるようにしましょう。
その際に重要なのが、ターゲットの身になって、消費者目線に立った欲しい情報や買いたくなるきっかけなどを、思いつくまま書き出すことです。クオリティ訴求、価格訴求、利便性訴求など、テーマ別に分けて整理すると、絞りやすくなります。
【例文あり】顧客が動きたくなるコピーのコツ8選
上記のステップで、キャッチコピーの大枠が決まったら、以下で説明するキャッチコピー作成のコツを参考に、ブラッシュアップをしていきましょう。心理学のテクニックなども取り込みながら、顧客の行動を促すキャッチコピーに仕上げていきましょう。
コツ1:自分ゴトと感じさせる
1つめのコツが、自分ゴトと感じさせる表現で訴えかけることです。キャッチコピーの目的は、自社が設定する最終目標へと誘導するきっかけ・気づきを与えることです。ターゲットがキャッチコピーを見たときに、自分に関係のある情報だと認識しなければ、必要がないと判断されてしまいます。そのためキャッチコピーを見聞きした瞬間で、「自分のことだ!」と認識させる必要があります。
「自分のことだ!」と感じさせる心理学の技:カクテルパーティー効果「カクテルパーティ効果」とは、騒がしい状況の中でも、自分に必要な声や情報は聞き取れる現象のことです。 例えば商店街などで、「いらっしゃいませ」と呼びかけされるよりも、「レディース秋冬物セール中です」と告知される方が、集客率が上がります。なぜなら、ターゲットとしている秋冬物が欲しい女性や、セールを狙った消費者が集まるからです。ターゲットに刺さりやすい、より具体的な言葉を利用することで、注目度を挙げるようにしましょう。
「自分のことだ!」と感じさせるキャッチコピー例文
自分ゴトと感じさせるキャッチコピーの例には、以下があります。いずれも伝えたいターゲットを具体化することで、自分のことだと気づきやすくなるよう、工夫しています。
イマイチな例文 | 工夫した例文 |
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コツ2:不安を取り除く
2つめのコツは、自社商材を使用することによるターゲットの不安や恐怖を取り除くことです。せっかく買ったのに効果がなくてお金がもったいなかった、私の体質に合っているかわからないなど、購入にまつわる不安をキャッチコピーで取り除くことで、スムーズな購入を後押しします。
不安を取り除く心理学の技:「フィアアピール」と「リスクリバーサル」「フィア・アピール」は、ターゲットにあえて恐怖や不安を与えた上で、自社商材を使うと「恐れを払拭できる」という安心材料を訴求するテクニックです。 「リスクリバーサル」は、商材の成果を保証して、金銭的・心理的なリスクを取り除く方法。商品を購入する際の不安を、「保証」という形で販売側が引き受ける手法などが当てはまります。
不安を取り除くキャッチコピー例文
不安を払拭させるキャッチコピーの例としては、以下が挙げられます。過度の不安をあおるような表現や、誇大広告になりかねないコピーは、避けるようにしましょう。
イマイチな例文 | 工夫した例文 |
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コツ3:人気のあるものは信頼される
3つめのコツは、多数の人が支持している物事はより一層支持が高くなるという、バンドワゴン効果を活かして、人気の高さや評判の良さをキャッチコピーに盛り込む手法です。
信頼性を高める心理学の技:バンドワゴン効果多くの人が好きなら良い商品のはず、他の人が使っているなら自分も試してみたいという、他者との同質化願望を活用したテクニックです。「多数の信頼」の裏付けを訴求することで、集客増・購入増につながる可能性が高まります。
信頼感を高めるキャッチコピー例文
信頼度を上げるキャッチコピーの例に、以下があります。No.1表現は、自社調べ、○○協会調べなど、必ず発行元や参照元、いつ現在のデータかなどの注釈を記載するようにしましょう。
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コツ4:画が頭に浮かぶ表現を
キャッチコピーで、より鮮明に商材のベネフィットをイメージできるように、その画が頭に浮かびやすい表現をすることも、テクニックのひとつとなります。
消費者にイメージさせる心理学の技:シャルパンティエ効果シャルパンティエ効果は、同じ重さなら、視覚的に大きく見える物や、重いイメージのある物質の方を重いと考えてしまう現象のことで、同じ重さの綿と鉄なら、大きく見える綿よりも小さく見える鉄の方が重いと考えてしまう錯覚のことです。 こうした錯覚に陥らないように、キャッチコピーでは、商材の効果や効能を、ターゲットがよりイメージしやすい量やサイズで表現すると、的確に伝わります。
効果をイメージしやすいキャッチコピー例文
以下が工夫したキャッチコピー例です。なるべくターゲットがイメージしやすい、わかりやすい例えを使うようにしましょう。
イマイチな例文 | 工夫した例文 |
食物繊維たっぷり | キャベツ10個分の食物繊維配合 |
家事代行でゆったり家族時間を | 週に一回家事代行を頼むと、家族との時間が9,000時間増えます |
節水シャワーヘッド | 節水シャワーヘッドに変えるだけで、毎月の水道使用量がペットボトル1,000本分削減 |
紙新聞を電子版に変えることで環境にやさしく | 紙新聞を電子版に変えるだけで、年間約200kgの二酸化炭素を削減 |
コツ5:数値や人で権威づけ
「権威ある人物が認めた」「〇〇(格付けの高い機関)が効果を実証」など、評価や数値などの証拠をコピーで打ち出すことで、商材のイメージを良くすることができます。
ただし、権威機関や人物の了承と、証拠の正しい裏付けを確保しておくことが必要です。
権威付けをする心理学の技:ハロー効果ハロー効果とは、物や人を評価するときに目立つ特徴に引きずられて全体の印象歪められてしまうこと。「歪む」というと悪い印象を受けるかもしれませんが、活用次第で、好意的な特徴を生かして好感度を上げることができます。
権威付けを意識したキャッチコピー例文
以下が、権威付けを意識したコピー例となります。いずれも、正しいデータや見聞に基づいた数値の扱いが重要となります。
- 生徒の82%が、たった3ヶ月で偏差値10アップ!
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コツ6:出し惜しみをすると逆に知りたくなる
キャッチコピーで出し惜しみをすると、ターゲットの好奇心や焦りなどをくすぐり、行動喚起につなげることができます。
ただし、行き過ぎた表現やあおり方はマイナスイメージとなるので、注意しましょう。
好奇心をくすぐる心理学の技:カリギュラ効果「カリギュラ効果」は、物事を禁止されると逆にそれをやりたくなってしまう、人の心理現象です。
好奇心をくすぐるキャッチコピー例文
好奇心をくすぐるキャッチコピー例には、以下があります。
- 本当に価値が分かる人だけに届けたい商品です。
- この化粧品は初めての方にはお売りできません。
- お友達には絶対に教えないでください。
コツ7:比較対象を載せて、「安い!」と思わせる
「今だけ通常の半額」、「3つまとめると300円お得!」など、先に比較対象となる数字を出すことで、後から出す数字の付加価値を高めることができます。
ただし、この手法を活用して二重価格表示を行う場合は、景品表示法違反にならないよう注意が必要です。比較対象価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」であることなど、ルールを決めたガイドラインがあるので、必ず確認するようにしましょう。
「安い!」と思わせる心理学の技:アンカリング効果アンカリング効果とは、情報量が限られている場合に、先に与えられた数字や情報を元に判断してしまう心理現象です。 ECサイトやスーパーのPOPで使えば、通常よりも安さを実感でき、今日買わなければならない意欲喚起につながります。
安い!と思わせるキャッチコピー例文
比較対象をして安さを感じさせる例には、以下が挙げられます。景品表示法違反にならないように注意しましょう。
- 通常〇〇円のところ、今だけ半額!
- 1個買うと500円のところ、3個セット1,000円!
- メーカー希望小売価格から半額
コツ8:今すぐ行動する理由を作ってあげる
「今しか手に入らないレアもの」、「5枚限定のプレミアムチケット」などと伝えることで、すぐにでも手に入れたい意欲と行動を後押しすることになります。
このような、購入や予約などの行動に直結する理由をキャッチコピーに含めることも、効果的なコツのひとつです。
今すぐ行動する理由を作る心理学の技:希少性の法則希少性の法則とは、希少性の高いものに価値を感じるという人の習性のことで、なかなか手に入らないと思うと、それが欲しくなるという人間の心理をあらわしたものです。
今すぐ行動させるキャッチコピー例文
今すぐの行動を促すコピーとしては、以下が例となります。希少価値を伝えることで、欲しいという気持ちを高めます。
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キャッチコピーを作成したら、反響を見ながらPDCAをまわすことが重要
試行錯誤して作成したキャッチコピーは、実際にターゲットに響くのか、効果を見ながら検証していくことが重要です。
誰でも最初から効果の出るキャッチコピーは作れません。効果を見ながら、徐々にターゲットに響くキャッチコピーを見つけていきましょう。
もしチラシでキャッチコピーをテストしたいと感じている場合は、電子チラシへの掲載を検討してみてはいかがでしょうか?
電子チラシであれば、印刷費用不要でエリアを分けていくつかのキャッチコピーの反響率を検証することが可能です。反響のいいデザインを見つけたら紙のチラシに転用していくという手法を取ることで、コスパ良く販促施策を行うことができます。
▶国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」とは?
まとめ
広告やECサイトで利用するキャッチコピーは、人目を引くためのインパクトが重視されていますが、このほかに、Web広告ではクリックしてサイトへ移動、ECサイトでは購入やサンプル請求など、自社が最終目標とする「行動」まで誘引することが重要な役割となります。顧客を行動させるキャッチコピーは、ターゲットを明確にして、自社商材の強みやターゲットのベネフィットを、伝わりやすい言葉にして作成していきます。その際には、人間の心理的な現象を活用して作成するテクニックもあり、これらの手法を使うことでキャッチコピーの効果を上げ、売上増やターゲット拡大につなげることも可能です。
キャッチコピーを自社で作成する場合や、効果を判断する際には、ぜひこの記事を参考にしてください。