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アンケート結果から読み解く、レジ袋有料化で得られる効果とエコバッグの今後の課題点とは?
目次
エコバッグ所有者の約半数がレジ袋有料化に賛成、日常的に利用する人は約8割
レジ袋の有料化は2020年7月1日から実施が義務化される見通しです(※1)。これを踏まえ、Shufoo!ではエコバッグの利用に関する意識調査を行い、エコバッグを所有する全国の既婚女性9,560名の意見を集めました。今回のアンケートによると、レジ袋有料化は賛成が半数。レジ袋有料化によって得られる効果や、エコバッグを持つ主婦の意見から読み取れるエコバッグの今後の課題について考察します。
レジ袋有料化の目的とは
そもそもレジ袋有料化は、プラスチックごみの削減のために推進・導入されている環境保全対策のひとつ。レジ袋の有料化によりエコバッグの使用者が増え、プラスチックごみが削減されれば以下のような環境維持につながります。
・地球温暖化の抑制
・石油資源の消費抑制
・ごみの減量化
・ごみ処理コスト削減
また、レジ袋は「使い捨て文化の象徴」ともいわれています。レジ袋が有料化されると、これまでエコバッグを持たなかった人やレジ袋を家庭で再利用していた人はデメリットを感じてしまう可能性があります。消費者の目線では、レジ袋が有料化するにあたりどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
【メリット】
・使い捨てのライフスタイルを変えるきっかけになる
・身近な場所でエコに取り組める
・レジ袋料金に代わる割引やポイント還元を受けられる場合がある(お得に買い物できる)
【デメリット】
・エコバッグを購入、持参する必要がある
・家庭で再利用していた人は別途ビニール袋を購入する必要がある
・エコバッグを持たない人はレジ袋に料金が発生する
レジ袋有料化は、深刻化する環境問題に向け、「エコの意識を芽生えさせるきっかけ」や「身近なエコ活動」を認識させることで、エコに対する消費者の意識をより前向きにするきっかけになるといえそうです。
レジ袋有料化の義務化はオリンピック前?
環境庁によると、2020年の東京オリンピックまでにはレジ袋の有料化を進める方針で会議が重ねられてきました。これに向け、一部のスーパーでは早くもレジ袋の有料化が実施され、消費者もレジ袋有料化への意識が強まってきています。2019年6月15日に実施されたG20会合では、2020年4月1日からレジ袋の有料化を義務化するとの表明がありました (※1) 。来たるレジ袋有料化に向け、主婦必携のアイテムとして今後はよりデザインや機能性に優れたエコバッグが多く登場してくるでしょう。
レジ袋有料化は賛成意見が半数、反対意見は1割にとどまる
レジ袋有料化に対する賛成・反対については、49.3%の人が「レジ袋有料化に賛成」と約半数にのぼりました。一方で反対意見は1割にとどまっており、現時点で環境問題を意識した主婦層が増えてきていることは事実です。今後はスーパーなどの身近な店舗でレジ袋有料化が導入されるにつれ、さらにマイバッグ持参の意識・風習が根付いていくでしょう。一部のスーパーではエコバッグ利用者に向けてポイントを付与したりして、エコバッグを利用することのメリットをお客様に対して提示している工夫も見られます。
エコバックは複数所有派が大多数
「エコバッグをいくつ持っていますか?」
この質問には、「2~3個」が45.6%、「4~5個」が24.3%、「5個以上」が23.3%と、エコバッグを所有する人の中でも複数派が大多数であることがわかりました。複数所有することで様々なシーンで使い分けを行っている主婦が多いのかもしれません。また、近年はデザインに凝ったエコバッグも増えてきています。より、「持ち歩きやすさ」や「使い勝手」を考慮した結果、複数所有が増えたのではないかと予想できます。
複数持ちとはいえ「安さ」は大事
「エコバッグは、いくらなら購入しますか?」
この問いにもっとも多かった回答は、「~300円未満」が26.7%。「300~500円未満」が21.7%、「買わない」が20.3%、「500~1,000円未満」が16%と続きました。エコバッグの複数持ちが増えたと言っても、エコバッグに高いお金はかけられないという層は大多数。安く、良いものを求める主婦らしい回答となりました。とはいえ、5円のレジ袋を2枚買えば1回の買い物で10円、買い物30回では300円です。安いに越したことがないのはもちろんのこと、エコバッグは使えば使うほどお財布にもエコになること間違いありません。
大多数の人が「日常の買い物でエコバッグを持参する」と回答
「現在、日常的に買い物をする際に、エコバッグを持参していますか?」
これには78.6%の人が「日常の買い物にエコバッグを持参する」と回答。この背景には、消費者の身近なスーパーなどでレジ袋有料化の導入が進んでいることがうかがえます。環境省が平成28年度に行った「環境省 平成28年度『レジ袋に係る調査』」では、各都道府県で約7割の事業者がレジ袋有料化を導入していることが明らかに(※)。また、「マイバッグの無料配布や貸し出し、マイバッグ持参の声かけ」など、事業者側からもマイバッグを持参するようお店のお客様に訴求していることから、消費者のマイバッグ持参への意識は年々強まってきていることが予想できます。
※環境省 平成28年度「レジ袋に係る調査」
http://www.env.go.jp/recycle/yoki/c_1_questionnaire/questionnaire_28_b_2_3.html
エコバッグの利用箇所はスーパーマーケットがほぼ100%!
「エコバッグを持参・利用する場所を選択してください。(複数回答可)」
やはり、主婦層が日常的に使う「スーパーマーケット」で利用率が98.3%と、ほぼ100%に近い結果に。自由回答では「いつもエコバッグを持ち歩いている」という意見もみられましたが、スーパーの利用率に続く第二位は「ドラッグストア」の35.7%と大きく差が開いており、スーパー以外でのエコバッグ浸透率はまだまだ高くないのが現状です。しかし、今後は「たまたま立ち寄った店舗がレジ袋有料化されていた」というケースも考えられることから、エコバッグを日常的に持ち歩く層が増え、スーパー以外での利用箇所も増加してくることが予想されます。
過半数の人が「エコバッグの大きさで買い物量は変わらない」と回答。しかし……
「持参しているエコバッグのサイズに合わせて買い物する量を決めることがありますか?」
この問いに対しては、53.5%の人が「エコバッグのサイズで買い物量は変わらない」と回答。しかし、一方で46.5%の約半数からは「エコバッグのサイズ以上の買い物はしない」という意見が見られました。スーパーなどでオリジナルのエコバッグを販売しているケースもありますが、アンケート結果を見ると「容量=消費者の商品購入数」につながる可能性があるため、エコバッグの配布や販売を行う際はいかに「持ちやすく、かつ最大限の容量を確保するか」が重要になります。
エコバッグの今後の課題は「強度」と「持ち歩きやすさ」
「エコバッグに関して、課題だと感じるものを選択してください。(複数回答可)」
エコバッグの今後の課題について聞いたところ、「強度」と「持ち歩きにくさ」がどちらも全体の半数を超える意見として、突出して多い結果となりました。レジ袋であれば購入数に応じた枚数をもらえていたものが、エコバッグは持参した分の容量しかありません。そのため「ちょっと買いすぎたかな」といったときは重量の分散が行えず、かといって、複数持ち歩くとかさばる、という懸念点があります。これらの問題をいかに解決するかがレジ袋有料化とエコバッグ持参に向けた今後の課題になるのではないでしょうか。
まとめ
エコバッグの利用に関する意識調査の結果
- 賛成意見が約半数、反対意見は1割にとどまる
- レジ袋有料化導入は、お得感を与えながらエコに貢献できる
- メリットを訴求することが大切
- 複数所有かつ、いつも持ち歩いている人が大半
- 利用箇所はスーパーがほぼ100%
- エコバッグの大きさと買い物量には密接な関係性がある
- 使いやすいエコバッグの条件は、「持ちやすい」「最大限の容量を確保できる」こと
- 今後のエコバッグの課題は、「強度」と「携帯のしやすさ」
消費税増税など消費者の生活に関連するニュースが飛び交う昨今、レジ袋有料化にとらわれずエコバッグの浸透性を高めていくためにも、持参のメリットや店舗独自の訴求を強化し、店舗離れを防ぐ取り組みを実施しましょう。オリジナルのエコバッグを配布・販売する店舗ではお客様1人あたりの買い物量を見定め、エコバッグに求められる条件を満たしていく工夫が欠かせません。
調査概要
「Shufoo!」利用者調査
調査エリア:全国
調査対象者:「シュフーポイント」会員(全年齢層の既婚女性、エコバッグ所有者)
サンプル数:合計有効回答サンプル数 9,560名
調査期間:2019年7月3日~7月5日まで 調査方法:インターネットリサーチ
* 本記事に含まれる調査結果をご掲載頂く際は、以下のクレジットを必ず明記してください。
クレジット:「株式会社ONE COMPATH 『Shufoo!』 調べ」
※1 当初、政府は2020年4月1日よりレジ袋有料化を義務化する方針を明らかにしていましたが、その後7月1日に時期が変更となりました。
参照 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46148780V10C19A6MM0000/
https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html