2019年07月29日

販促・集客 ~大手スーパーマーケット元副店長が語るシリーズ⑥~制作費0円!所要時間10分!スマホでつくるハイクオリティなPOP制作のススメ

ひと昔前は店頭でよく見かけた手書きPOP。書店で店員のおすすめが書かれたPOPをみて、お客様が本を手に取るという風景がよく見られました。

業務効率化を進める過程で、温かい雰囲気のある手書きPOPが店頭から姿を消し、そのかわりにどのお店でも同じようなデザイン性の高いPOPが並ぶようになりました。しかし、近年またお店固有の手作り感のあるPOPへの回帰の風潮がでてきました。それはひと昔前の手書きPOP制作とは少し様子が違うようです。店舗でのPOP制作現場での実情とその解決策をY氏に詳しくお話を伺いました。

<Y氏プロフィール>
1993年某スーパーマーケット入社。主に本社のセールスプロモーション部で活躍された後、店舗にてその知見を活かした店舗づくりや販促を実施。画期的でユニークな手法を駆使され成果をあげられました。
本社勤務時は、朝ネットで注文すると夕方届く“ネットスーパー”を立ち上げ、大ブレイクを起こします。またShufoo!(シュフー)を導入し、店舗ページからチラシを確認できるように整備。2010年には、いち早くスマホ公式アプリをリリース。
長期に渡り会社のIT事業に携わり実績を残した後、2016年、副店長として店舗へ配属。ITやマーケティング戦略の知見と、パートナー社員の知見を最大限に活かし、さまざまな取り組みを実施しました。

POP制作を機械化したことで失ったもの

スーパー元副店長・Y氏

POP制作というと、20年ほど前は、「大根1本100円」など、それぞれの店舗でPOPライターと呼ばれる専門家が手書きのPOPを描いていました。しかし、作業時間がかかる上に、店舗毎にクオリティの差が出やすく、業務効率を図る過程で淘汰され、POP制作機と呼ばれるものが全店に導入されていきました。その後、「大根」と商品名の部分は固定になり、値段の部分のみ売価シールと呼ばれるもので「1」「0」「0」「円」というシールをそれぞれ貼ったりしてPOPを掲示していました。

機械が導入されたことにより、POPライターの役割を機械が担うようになりました。店舗で必要なPOPデザインを店舗外から取得して印刷できるようになったことで、今まで店舗で制作していたPOP制作が本部からの送り込みや配信で済むようになりました。印刷の技術の進化やプリンタの性能が飛躍的に向上し、大判POPも店舗で印刷できるようになりました。これは素晴らしい進化であり、店頭の作業効率化に大きく寄与したことは間違いありません。しかし一方で、定型フォーマットのPOPというのは、当然、自由度は目をつぶらざるをえず、商品のアピール力が平準化してしまうという弱点も出てきました。

POP制作機を導入した当時は、各店舗がばらばらにPOPを掲示していたという背景もあり、店舗での掲示物をコントロールする役割も兼ねていたため、フォーマットにはないものは制作できない仕組みになっていました。当然、店頭で独自に商品をPRしたいだとか、食べ方の提案したいだとかについては諦める他ありませんでした。その結果、店舗の個性がなくなってしまったように思います。

平準化からの脱却。また手作りPOPの時代へ!?

時代の流れが均一主義のチェーンストア理論から個店ごとの独自の特色を活かしていく流れとなり、お店が個性をPRする必要性が出てくると、POPもまた店舗毎の個性のニーズが高まります。しかし、昔のようにお店に専用のPOPライターなどはいないので、術もテクニックもなくなりつつあり個店レベルでの手書きPOP制作には以前以上に限界がありました。自分が作りたいイメージを表現する手段がなかったのです。

そのような状況の中、本部の販促部門から店舗に異動してきた私のところに、店舗スタッフから「商品をこんな風にアピールしたい。」「メニューをPOPで掲示したらどうか」「元販促部門にいたならなんとかならないだろうか」という相談が集まってきたのです。そこで、色々と思考錯誤の末、思いついたのが、スマホの画像加工アプリを組み合わせてPOP制作をすることでした。

なぜパソコンではなくスマホなのか

もちろんパソコン作業からでもPOP制作はできると思いますが、小売業界のお店のPCにイラストレーター等高度なソフトは入っていません。一般的にはパワーポイント等を使用するのかもしれませんが、お店の仕事でプレゼン資料などを作ることもないため扱える人も少なく、日常的に使用しているソフトがエクセルでした。エクセルは表計算をメインとするソフトですので、デザイン構成をするには向いていないため、作業時間がとてもかります。また、POPの大きさによって画像サイズが変形したり質が粗くなったりという難点もありました。

一方で、スマホの世界にはありとあらゆるアプリが存在します。スマホアプリの場合、小さなイラストレーターソフトが入っているようなもので、写真にスタンプ画像を重ねたり、テキストを加えたり、コラージュしたりして写真を編集できるアプリなど、PCよりはるかに手軽で高精度なものに進化しています。デジカメで撮影して、撮影した写真をパソコンに取り込んで加工するという一連の作業が、スマホであればスマホの中だけで、短時間でそれなりのクオリティで完結します。実際にやってみると、パソコン作業であれば30分以上かかってしまうPOP作りが、スマホであれば10分程度で制作できました。これは、「スマホを使わない手はない!」と思いませんか。 今回はそこで得られたPOP制作のヒントを少し皆様にご紹介します。

その1~イメージ画像は著作権フリーのサイトから取得

まずは、自分が作りたいPOPに載せるイラストや写真を探していきます。必ず商業用で使用許可のある著作権フリー素材から選びましょう。 下記のようなサイトで画像を取得することができます。

・イラストAC https://www.ac-illust.com/
利用無料のイラストダウンロード&アップロードサイト。営利目的で作成される商業印刷物やホームページにも、無料のまま自由に加工も含めて利用可

・写真AC  https://www.photo-ac.com/
より高品質な写真素材を無料で利用できるサイト。商用利用も可能なためチラシやポスター、WEBサイトなどの広告、ポストカードや年賀状などにも利用可。

・シルエットAC https://www.silhouette-ac.com/
無料でシルエットイラスト素材がダウンロードできるサイト。商用利用も可能なためチラシやポスター、WEBサイトなどの広告、ポストカードや年賀状などにも利用可。

その2~アプリでPOPに仕上げる

イメージ画像が見つかれば、次は文字、色、デザインを組み合わせていきます。下記のようなアプリを使ってそれぞれを配置していきます。

・Pic Collage(ピックコラージュ)

https://apps.apple.com/app/apple-store/id448639966
スマートフォン向け写真編集用(コラージュ)アプリ。テンプレートや切り抜きで自由にかわいいコラージュ画像を作成することができる。

・PERSTEXT(パーステキスト) ※iOSのみ対応

https://apps.apple.com/jp/app/id924300151
画像に遠近感のある文字をいれることができる写真文字入れ加工アプリ。

・Photoshopシリーズ <上級者向け!>

Photoshopのプロフェッショナル編集機能をスマートフォン対応でも実現させたアプリ。「Photoshop Fix」「Photoshop Express」「Photoshop sketc」「Photoshop mix」「Photoshop Lightroom」の5つのシリーズがあり、それぞれ独自の機能を持ち、無料でスマホ上にて使用することができる。

・Photoshop Fix 
https://www.adobe.com/jp/products/fix.htm
 

・Photoshop Express 
https://www.photoshop.com/products/photoshopexpr
 

・Photoshop Sketch 
https://www.adobe.com/jp/products/sketch.html
 

・Photoshop Mix 
https://www.adobe.com/jp/products/mix.html
 

・Photoshop Lightroom 
https://www.adobe.com/jp/products/lightroom-mobile.html

その3~画像サイズの調整

POP画像をそのまま、Shufoo!やLINE@へ応用したい場合、やはりアプリを活用して簡単にサイズを調整することができます。 特にLINE@のリッチメッセージなどに掲載する画像は、画像サイズに指定があり、こちらで適当につくったものだとアップロードすらできません。そこで、オススメなのが、画像サイズ調整アプリです。

・バッチリサイズ2 ※iOSのみ対応

複数の画像を同じサイズできれいに管理しておきたい人に便利なアプリ。画像の大きさを小さくしたりサイズを減らしたり、好きな設定でリサイズができる。
https://apps.apple.com/jp/app/id1070260219

店舗の財産

ひとつのアプリで作業が完結しない点は残念ですが、前述したようなアプリを組み合わせることで、クオリティの高いPOPが店舗で制作できるようになります。もちろん初めのころは扱いに慣れず時間がかかることもあるかもしれません。しかし、年間を通してデザインのバリエーションをアーカイブしていくことで、次年度以降は一からPOPを制作しなくとも、昨年のデザインに少し手を加えて活用することができます。また「台風接近中」など、ニュースをキャッチしたらすぐに掲載したいPOPなどは、常にその元データが出せる状況になっていると、お客様へのサービス向上にもつながります。つまり、手書きPOPのように一度描いたらおしまいではなく、店舗の財産として蓄積することもできます。

スマホに表示されるものはスマホで制作

POP制作だけにとどまらず、できあがった素材を様々な広告発信媒体に流用することもできます。

例えば、Shufoo!やSNSなどへの掲載をするならば、スマホで最適な見え方の工夫は必須です。デジカメで撮影してPCで加工すると、スマホで確認した際に、文字が小さくて読めなかったり、対象物が小さく映っていて何を伝えたい画像なのかがわからなかったりすることがあります。スマホで写真を取得または撮影して、加工作業をするほうが、結果的に効率がよいのではないかと考えます。

スマホで簡単にPOP制作ができることを知らない店舗スタッフはまだ多いように思います。 このような便利なツールを見逃す手はありません。誰でも思い立てばPOPが制作できる時代なのですから、どんどん活用していただけたらと思っております。

まとめ

職人の技が光る手書きPOPの時代から、デザイナーによるPOPフォーマット一括配信時代を経て、いまや職人でもデザイナーでもない一般の私たちでも簡単にハイクオリティなPOP制作ができる時代になりました。

8割がスマホをインターネット端末として活用しているという時代です。スマホで閲覧されるものはスマホで制作するということ自体が大変理にかなっていることもわかりました。 是非、今日から貴店でもPOP制作からはじめてみてはいかがでしょうか?

<大手スーパーマーケット元副店長が語るシリーズ これまでの記事はこちら>
その1 テクニックを使えばいちご大福が10倍売れる!買上点数を上げる秘訣

その2 スーパーマーケットの”売れる”売り場作りのコツは『爆速レシピ』で攻めろ

その3 折込みチラシでは到達しない層へはネット(デジタル)で情報配信がカギ

その4 パートナー社員の力を最大限に引き出すコミュニケーション術とは?!

その5 ビーコンで販促効果の見える化「このチラシを見てきた来場者は〇人」

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