2019年05月22日

お役立ち情報 ~スーパーマーケット元副店長が語るシリーズ②~ スーパーマーケットの”売れる”売り場作りのコツは『爆速レシピ』で攻めろ

スーパーマーケット 元副店長が語る!

第1弾では買い物点数を上げるテクニックをお伝えしましたが、第2弾では、より具体的な提案内容に踏み込んでいきます。今回もお話を聞いたのは大手スーパーマーケット元副店長のYさん。「今の主婦(主夫)は、 “時短レシピ”でも調理時間が長いと感じます。もはや“爆速”が求められています」そのような主婦(主夫)の攻略方法を特別におしえてくれました。

<Y氏プロフィール>
1993年某スーパーマーケット入社。主に本社のセールスプロモーション部で活躍された後、店舗にてその知見を活かした店舗づくりや販促を実施。画期的でユニークな手法を駆使され成果をあげられました。
本社勤務時は、朝ネットで注文すると夕方届く“ネットスーパー”を立ち上げ、大ブレイクを起こします。またShufoo!(シュフー)を導入し、店舗ページからチラシを確認できるように整備。2010年には、いち早くスマホ公式アプリをリリース。 長期に渡り会社のIT事業に携わり実績を残した後、2016年、副店長として店舗へ配属。ITやマーケティング戦略の知見と、パートナー社員の知見を最大限に活かし、さまざまな取り組みを実施しました。

なぜ舟形の刺身パックが増えたのか

「お刺身パックなんてなんでもよさそうなのに、見栄えのする豪華なお皿の模様入りや舟形のものをよく見ませんか?なぜそれが増えてきているのだと思います?」
唐突にY氏からそんな問いかけがあり、答えに言い淀んでいると、こんな風におしえてくれました。

スーパー元副店長・Y氏

今の食卓を預かる女性(男性)は女性の社会進出も増え、非常に忙しくしています。昔は、丁寧に調理をして食卓に出し、食器を洗って干して食器棚に戻していました。しかし現代の女性(男性)は、なかなかそういう時間をとることが難しくなり、かける調理時間は年々減る傾向にあります(下記グラフ参照)。その傾向は専業主婦(主夫)であっても共働き主婦であっても同様です。

出典:東京ガス都市生活研究所「生活定点観測調査」

先に挙げたお刺身の舟形パックはそんな風潮の象徴的なものです。つまり、昔はお刺身パックからお皿に盛りつけて食卓に出していたけれども、今はそのまま食卓にだして、食べ終わったらそのまま捨てる。これならお皿すら出さなくて済むのです。

お子さんがいる家庭では、そうはいっても主婦(主夫)のプライドなのでしょうか、子供の教育上よくないと思うのでしょうか、時間はかけられないけれど、そのまま出来合いのお惣菜を食卓に出すということを良しとしない風潮も根強く、ちょっとだけ手を加えて手作り感を出せるものが求められています。
そこで、“時短レシピ”ならぬ“爆速レシピ”を提案することを思いつきました。着想はやはりベテランパートナー社員の創意工夫レシピからです。その中でも人気のあった爆速レシピの3つをご紹介します。

大人気!3分でできる!~爆速レシピ3選~

①「シャカシャカ塩昆布サラダ」-お子様との楽しい調理タイム演出せよ-

これは非常に簡単です。カットサラダ(すでに野菜が切られているサラダパック)のビニール袋にそのまま「塩昆布」と「ごま油」を入れ、シャカシャカ振るだけです。ボウルも汚さず、準備も楽チンです。

「小さいお子さんでも作れるので、一緒にシャカシャカすると楽しいですよ」と一声かけるだけで楽しい親子の調理タイムが想像され、一緒につくりたいという気持ちが高まります。単純に手間を省くということではなく、包丁も使わないのでお子さんにも安全な調理になるというポジティブなイメージを与えることが大事なのですね。 狙いどおり、カットサラダの売場に塩昆布とレシピカードを一緒に置いておくと、どちらも一緒に買っていく方が殆どでした。

②保存版!「とうもろこしの美味しい食べ方」-爆速でむしろ食材の良さを引き出せ-

とうもろこしのPOP

これはとうもろこしの時期に実施したのですが、とうもろこしって食べるときに茹でなきゃいけないし、時間もかかって少し面倒ですよね。しかし、とうもろこしは茹でるより電子レンジでチンしたほうが、旨味成分が逃げずに美味しくできるのです。皮をむいて、もしくは皮ごと電子レンジに入れて1本あたり5分ほどでOKです。早速、とうもろこしの試食コーナーを設けて販売したところ、「甘い!」「美味しい!」と大人気となり、とうもろこしが飛ぶように売れました。1日2,000本は売れたと思います。
ここでも単純に手間を省くということではなく、電子レンジでチンするほうが、食材の旨味を引き出し、むしろ旧来の手間をかけた調理法より良いということを伝えることが、爆発的に売れた要因だと思います。

③「無限ピーマン!」 -メインではなくサイドメニューを提案せよ-

“爆速レシピ”の提案は、すぐできればなんでもよいということではありません。ひとつ禁じ手があります。それは何かというと、メインになる調理商材は提案しないということです。

大抵の場合、「頭の中に食卓を思い描いてください」といわれると、まずメイン料理を並べて、それからサイドメニューを並べますね。ある主婦が肉料理をつくろうと思ってスーパーを訪れたとします。売場にいったら、魚料理のおいしそうなレシピが提案されていたので、その魚料理の材料を買ったとします。そうすると、もうお肉は買わないのです。つまり、肉から魚へのスイッチが起こっただけで店舗全体の売上自体は上がらないのです

それだけではなく、肉売場の担当者からすると魚売場にお客様を奪われたことになり、売場同士で競合が起こってしまい店舗プロモーションに不公平感が出てしまいます。しかしサイドメニューであれば、食卓のメイン料理に1品追加することになるので、お店の売上は上がり、各売場も競合しないというわけです。メニュー提案の狙いはあくまでもプラスもう一品、「客単価UP!!」です。

具体的にどのようなメニューがいいかといいますと、人気があったのは「無限ピーマン」。 ピーマン・シーチキン・塩昆布にごま油とスープの素を入れて、電子レンジで1分30秒チンするだけで出来上がります。ピーマン売場にシーチキンと塩昆布を置いて、簡単レシピとともに紹介したところ、こちらも売れました。シーチキンは日持ちするので、あえてバラ売りではなく5個パックのものを置き、単価を上げることにも成功しました。ちょっとした工夫ですね。

無限ピーマン

レシピ提案そのものは、売場プロモーションの定番中の定番といってもいいかもしれません。しかしながらその本質を理解して、しっかり提案できている店舗は少ないのではないでしょうか?

ただ手間を省く、時間を短縮するというだけでは、調理に手間を省くことにどこかで罪悪感をおぼえている消費者の手は伸びません。その罪悪感を払拭し、さらにそれを凌駕するようなポジティブな印象を与えることが重要だと思います。

例えば「電子レンジでチンした方が旧来の調理より食材が活きる」ですとか「包丁を使わないので安全に子供と調理ができる」ですとかそういうキーワードが消費者に“刺さる”からこそ購買意欲が湧いてくるのです。

更にメイン料理ではなくサイドメニューを提案することで、売場同士の競合を避け、スイッチではなくてアドオン促進がレシピ提案プロモーションを成功させるキーとなります。 レシピ提案におけるひとつひとつの売上への影響は小さいかもしれませんが、10の売場で提案をすれば、店舗全体売上の1%に達します。日々続けていくことで、まさに「塵も積もれば山となる」ごとく長期的な売上に大きく貢献していくはずです。消費者心理をうまく捉えた“爆速”レシピ。ぜひ貴店でも挑戦してみてください。

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