コラム
販促・集客
折込チラシの反響率ってどのくらい?効果測定のための5つのステップ
集客の手段としてエリアマーケティングを考えるときに、新聞折込チラシの配布を検討する方も多いのではないでしょうか。ただ、実際に配布をするとして「納得できる効果を得られるのか」「効果を検証する方法がわからない」といった不安もつきまといます。
配布数や配布期間など、押さえておくべきポイントも多いです。今回は新聞折込チラシで広告を出稿したときの反響率の実態を紹介し、効果測定を行うために必要となる事前準備について詳しく紹介します。
目次
新聞折込チラシの反響率
新聞折込チラシの広告効果を把握するためには、反響率(反応率)について押さえておく必要があります。反響率とは、商品・サービスの購入や来店、資料請求・お問い合わせなどの反応があった割合のことを示すものです。
チラシを出稿する際にどのような目的で出稿したかによって、PDCAを回すための効果測定を行うことが重要です。反響率を正しくとらえていくポイントについて見ていきましょう。
反響率の計算のしかた
反響率の計算方法は、「反響数÷配布枚数×100(%)」で求められます。5万枚の新聞折込チラシを配布したときに5人の反響数があったとすれば、「5÷50,000×100=0.01%」と計算できます。
反響率の平均ってどのくらい?
一般的に、新聞折込チラシの反響率は0.01~0.3%といわれており、5万枚を配布すれば5~150人の反響が想定されます。配布するエリアや販売する商品によって反響率は異なりますが、一つの目安として把握をしておきましょう。
また、反響数に平均顧客単価を掛け合わせることによって、想定される売上を算出できます。新聞折込チラシの効果を測定するためにも、さまざまな想定で反響率を割り出してみるといいでしょう。
検証期間はどのくらいが目安なの?
新聞折込チラシはWebと比較すると、徐々に効果が出てくるといった特徴があります。Webの場合は配信後にすぐ効果が出る場合が多い一方で、紙メディアではいったん手元に保管してから後日申込みや資料請求を行う人も多いといえます。
スーパーマーケット、ホームセンター、ドラッグストアなど、期間限定での特売やセール情報の場合は、期間が終わってからの検証になりますが、不動産、学習塾やスクール等、期間を設定していない場合は、すぐに検証するのではなく、最低でも2週間ほどは様子を見てから数値の検証を行いましょう。正確な効果を検証するためにも、配布枚数・配布エリア・配布日時などをきちんと記録しておくことが大切です。
新聞折込チラシを配布するまでの流れ
配布した新聞折込チラシの反響率を単にチェックするだけではなく、データを細かく分析することで顧客動向の把握や反響率の向上につなげていくことができます。折込チラシの効果検証を正しく行うための5つのステップを解説していきます。
ステップ1.最終的なゴールを定める
やみくもに折込チラシを配布しても、終わった後によかったのか悪かったのかの検証ができません。そのため、配布後”どのような数値が出たら今回の施策はよかったとするのか”を定めることが重要になります。
新聞折込チラシを配布する目的は、会社や店舗によってさまざまです。売上アップを狙うのであれば「売上金額」の目標数値を立てるべきですし、来店人数を増やすことが目的であれば目標の「来店人数」定めるべきです。
また、資料請求や問い合わせの増加を望むのであれば目標の「件数」を設定しましょう。成果目標を的確に設定しておけば、効果測定をスムーズに行えますし、改善点も見出しやすくなります。
ステップ2.効果が上がる手法を検討する
成果目標が決まったら、次に”効果が出そうな手法”を検討しましょう。
配布エリア、配布時期、チラシのデザインによって効果は大きく異なってきます。
検討ポイントを挙げてみました。
配布エリアに関する検討ポイントの例
- 来店人数アップを狙うなら、一次商圏(店舗から徒歩15分圏内に住んでいる顧客)に配布
- 客単価アップを目標とするなら、高年収層が住むエリアに配布
- リピーター増を狙って、既存顧客が多く住む地域に配布
- シニア層の新規開拓を狙い、高齢者の多い住宅街に配布
配布時期に関する検討ポイント
- セールやイベント告知を行うチラシを、開催の前日に入れるか当日に入れるか →前日と当日両方折り込み、効果を比較するのも1つの方法です。競合よりも先に情報を伝える目的で、戦略として前日に折り込む方法もあります。
- 競合チラシが多い日を狙うか、少ない日を選ぶか →チラシの量は、一般的に土曜日が最多で月曜日が最小とされていますが、目立つデザインなどであえて競合の多い日に入れて、比較させる方法もあります。逆に少ない日に折り込んで、目立たせることもできます。
- 業種によって適切な曜日を選ぶ →ツアー案内などは、休日に旅行を楽しんで、また行きたいと思って広告をチェックするので、月曜日の折込の注目度が高いと言われています。業種ごとに異なる、効果的な曜日やタイミングも意識しましょう。
チラシデザインに関する検討ポイント
- ターゲットと目的に合ったデザインに仕上がっているか
- セールの告知など即効性を狙うのか、スクールの案内など保存性が高いものなのか
- たくさんあるチラシの中でに埋もれてしまないよう、メインビジュアルやキャッチコピーが目立っているか
- 目の導線を考慮して、関心や行動喚起につながっているか
このように効果の上がりそうな手法を事前に検討しておくと、実際の効果を見て、反響率が低いエリアの配布を止めたり、反響率の高かった曜日に集中して新聞折込チラシを配布したりといった次の広告戦略を立てることにつなげられます。
そのためにも、成果目標・仮説はいくつも作るのではなく、1回の配布で1つの目標・仮説とすることがオススメです。
その分配布回数は増えてしまいますが、一度にいくつもの施策を行ってしまうと、どの仮説が正しかったのかの検証ができなくなってしまうので、要注意です。
ステップ3.検証方法を決める
成果目標に達したかどうかを知るために、検証方法をあらかじめ決めておく必要があります。具体的な方法としては、QRコード・キャンペーンコードを貼り付けたり、クーポンを付けたりして検証していきます。
【ネット申込】パラメータ付きQRコード
パラメータ付きのQRコードを付けることで、対象サイトにアクセスしてきた人数の経路を把握することができます。
また、目的ごとにQRコードのURLを変えてみると、反響率の違いを発見できます。具体的には、「エリアごとにURLを変える」「チラシのクリエイティブテストを行う場合にも変える」などの使い方があげられます。
【ネット申込・電話申込・来店】キャンペーンコード
イベントやキャンペーンを行うときには、キャンペーンコードを配布してみるといいでしょう。申込みにあたってコードを入力することで、エントリーが完了するといった流れを作っておけば、それぞれのキャンペーンごとの反応を検証しやすくなります。
【来店】クーポンを付ける
新聞折込チラシにクーポンを付けることによって、反響率を確かめる方法もあります。クーポン付きのチラシの配布枚数と実際に使われたクーポンの数を測定すれば、反響率を調べられます。パッと見たときに、クーポンといった言葉が目立つようにデザインをしておくと、チラシをしっかり読んでもらえる可能性も高まります。
ステップ4.折込チラシを作成する
ゴールや仮説・検証方法などを決めたら、いよいよ折込チラシの作成に移ります。
【折込チラシのサイズ】
A3・A4・B4が一般的で、中でもB4サイズが多く使われます。大量の情報を掲載する場合は、B2版などを使用することもあります。印刷は、モノクロ、2色、カラーなどから選び、片面印刷か両面印刷のどちらにするかを決めます。
【折込チラシの紙】
一般的には、光沢のあるコート紙や、つや消しを施したマット紙、ざらついた質感のある上質紙などを利用します。紙にはそれぞれ特徴があり、ツヤのある紙は、QRコードが読み取りにくいなどもあるので、用途や内容に応じた紙を選ぶようにしましょう。
紙の厚さは、普通は70~90kgのものを使い、この重さであれば通常の折込料金内でおさまります。ポスターやパンフレットなどで使う110kg以上の紙になると、折込に別途料金がかかる場合があります。
【注意点】
このほか、チラシを折り込むには、日本新聞協会に加盟する新聞社と、その販売店によって設けられている「折込広告基準」を満たしている必要があります。虚偽または誤認されるおそれがある広告や、公序良俗を乱す表現、責任の所在や内容が不明確な広告などは、審査が通らない可能性があるので注意しましょう。また、不動産広告や弁護士の広告など、それぞれの業界で規定されているルールを遵守する必要があります。
【作成費用】
チラシを作成する費用は、内容やデザイン、撮影の有無、外注先によって異なります。費用の内訳は、デザイン費、原稿制作費、印刷費で構成されます。相場としては、デザイン費がサイズや片面か両面かなどの条件により異なりますが、2~6万円前後となります。
印刷費は、サイズや紙質、印刷枚数、カラーかモノクロか、色校正の有無、納品スケジュールなどにより異なります。それぞれ、印刷費も外注する会社によって異なるので、事前に確認しましょう。
コストを抑えるのであれば、自社で作成することも可能ですが、効果の高い折込チラシを作成するには、ノウハウや守らねばならないルールも多いので、プロに依頼する方が安心です。
ステップ5.効果検証を行う
実際に折込チラシを配布した後は、配布前に決めた検証方法で実際の数値を確認しましょう。元々設定していた成果目標を達成しているのかを検証することで、仮説が正しかったのか、修正すべきなのかを把握することができます。
また、チラシの制作・印刷・配布に使ったコストと、反響率を見比べて費用対効果を計算することが重要です。取り扱う商品やサービスの金額、平均客単価によっても目標とすべき反響率は違ってきますが、さまざまな角度から反響率を検証してみましょう。
それでは、チラシの効果を検証する具体的な方法を説明します。
チラシの効果(反響率)を表計算ソフトで見える化しよう
チラシの効果を数値で収集したら、それらをExcel(エクセル)やGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトにまとめておきましょう。
表計算ソフトにまとめるときのポイントは以下の2つです。
1.必要な情報を簡潔に入力しておくことが大切です。
2.最終目的だけでなく、反響を段階別に評価することで、次の打ち手に繋げやすくなります。
実際にどのようにまとめるのか、サンプルデータを作ってみました。
データを集計する際には、チラシを発行した日付やその時の部数を必ず記録しておきましょう。他にも新聞に折り込んだのかフリーペーパーに折り込んだのか、新聞ならどの新聞なのか、カラーなのか白黒なのかなど、チラシの構成要素で重要な情報があれば追記しましょう。
チラシを発行した事実についての記録も大切ですが、最も必要なのは結果を残しておくことです。表記方法について好みはあれど、実数と配布した部数との割合くらいは残して置いた方が良いでしょう。
集計結果からチラシの効果アップのための改善点を見つけ出そう
チラシ配布の結果を集計データとしてまとめた後、ここからどうやって改善点を見つけ出せばいいのか、悩んでしまう方もいるかもしれませんね。
それでは、集計した結果から具体的にどんなことが分かるのか、サンプルデータを見ながら解説します。
用意したサンプルデータでは、成約までの流れを「問い合わせ」と「来店」で分けており、どの段階まで成功したのか、どの段階が今一つなのかが一目で分かるようになっています。最終的な成約率での差は無くても、その過程の数値を残しておけばデザインやコンテンツを評価することにも繋がります。
それらの情報を複数回に渡って記録しておくことで、どんな時にどういった反応があったか見える様になってくるでしょう。
サンプルデータ(Excel)を下記からダウンロードいただけますので、同じフォーマットでトライしてみたい方は、ぜひダウンロードしてお試しください。
ポスティングと折込チラシの違い
ポスティングが、印刷したチラシを個人宅やマンション、事業所などのポストに直接投函するサービスであるのに対し、折込チラシは、印刷したチラシを新聞に折り込んで、新聞と一緒に届けるサービスです。その違いを、以下の表でまとめました。
ポスティング | 新聞折込 | |
目的 | 商圏内のターゲットに確実に情報を届けたい。誰でも気軽に見ることができるので、どのような情報発信にも適している | 新聞購読層に、スピーディに情報を伝えたい。新聞なので、信頼性の高い情報の伝達に向いている |
配布方法 | ポスティング会社のスタッフが、ポストに投函する | 新聞に折り込んで、販売店のスタッフが配布する |
配布エリア | 小さなエリアから広範囲まで設定することが可能 | 広範囲に大量に配布することが可能 |
セグメント | 丁目単位でセグメントできる | ターゲットを選別して配布することはできない |
配布スピード |
大量の場合は、投函完了まで数日かかる可能性もある | 1日で配布することができる |
配布できるもの | ポストに入るサイズであれば、チラシでも小冊子でも、グッズなども可能 | 印刷したチラシのみ |
コスト | A4~B4サイズ:4~8円 新聞折込よりは高くなる傾向にある ※配布エリアや配布部数によって異なる。配布エリアが密集したり配布部数が増えるほど、単価は安くなる |
B4サイズ:3円~610円/1枚 ※サイズ、紙の厚さ、地域により異なる |
電子チラシの効果は?
新聞折込チラシの配布を検討するのであれば、電子チラシと併用してみるのも一つの方法です。新聞の配布数の減少によってチラシの配布枚数も減っているため、電子チラシと併用することで、届ける人数を増やすことができます。
電子チラシで商圏の把握やコンテンツの良し悪しを図り、折込チラシに転用する方法も効率よく広告効果を高める方法としておすすめです。電子チラシが備えている特徴について見ていきましょう。
電子チラシ市場について
電子チラシは約3人に1人が普段から利用しているという調査データもあり、新聞折込チラシと比較しても存在感が増しています。特にスーパーでは紙のチラシと並んで電子チラシも閲覧されており、チラシを見た後の購入率は電子チラシのほうが高いのが特徴です。
電子チラシは複数の店舗のチラシを同時に見ることができるというメリットがあり、クーポンなどもすぐに入手できるので利用率が高まっています。新聞を購読していない人であっても、店舗情報を得られるため、チラシ市場においてのシェアが拡大しています。
Shufoo!で計測できること
Shufoo!では”何人が閲覧をしたのか”といった情報だけでなく、”どのエリアに住んでいる””どんな人”が見たのかが分かります。
たとえば、上記の画像にある「チラシ閲覧者マッピングデータ」では、どんなユーザーにどのエリアから何回閲覧されたのかがチェック可能です。
また、本来は有料である「店舗商圏内国勢調査データ」をダウンロードすることも可能です。店舗商圏内国勢調査データからは、店舗の近くにどんな属性の人がどれだけいるかが事前に分かります。
電子チラシへの掲載効果を見える化する仕組みも整えているので、店舗ごとの販促エリアを最適化したり、コンテンツ・媒体の最適化に結びつけたりできます。単にデータを収集するだけでなく、分析・効果検証を細かく行えるのでチラシの精度を高めていけるのです。
電子チラシの費用対効果
電子チラシの費用対効果は高いものがあります。新聞折込チラシは新聞購読者数の減少に伴って、以前のような広告効果を見込めない面も出てきており、別の方法で補っていくことが重要になってきています。
Shufoo!ではユーザーの73.5%が新聞の非購読者であるため、買い物情報を電子チラシでチェックしている人も増えているのです。新聞折込チラシと電子チラシを併用することによって、コストを下げながら効果を高めていく流れを形作れます。
さらに、Shufoo!なら基本料金0円で、チラシを見た人数に応じて料金が発生するので、効率的にチラシ配信が行えます!
まとめ
新聞折込チラシの配布を検討するときには、チラシの効果を正しく把握するために反響率に注目するのが大切です。検証期間や検証方法をあらかじめ設定しておくことで、配布エリアや配布期間、配布枚数といった点を改善していく足がかりを得られます。
また、せっかく新聞折込チラシを作るのであれば、電子チラシも併用してみましょう。Shufoo!は 1,600万人※1のユーザーが登録している電子版の折込チラシです。タイムラインやクーポンの投稿機能を使えば、チラシではカバーできない情報発信もうまく補えます。また、スマホをよく見る時間帯にチラシ情報をお届けすることで閲覧数のアップにつなげられますし、閲覧数をすぐに確認できるので効果検証もしやすいと評判です。気になる方はコチラからお問い合わせください!
※1 ASPを含めた数値です。(2019年12月時点)