コラム 販促・集客
認知広告とは?好感度も同時にアップするWeb広告の使い方&事例

2021年09月15日
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執筆者
ショッピングセンター経営士 岩本利達

ショッピングセンター経営士 岩本利達

地域密着型のショッピングセンター(以下、SC)で、イベントや、販売促進キャンペーンの企画・運営、広報担当者として従事。SCの分野に限らず、地道な手配りチラシから華やかな大規模集客イベントまで幅広く手掛けており、リアルな現場での経験や、競合他社と差別化するための独創的なアイデアによって、中小企業の販売促進、広報の戦略立案もサポートしている。業界では最高峰の資格「SC経営士」を保有しており、SCを切り口としたまちづくりの専門家として活躍。

認知広告とは、問い合わせの獲得や売上アップを目的とするのではなく、店名や商品・サービスの名前などの認知度を上げることを目的としています。シンプルな目的ではありますが、やり方を間違えると悪印象を持たれてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

今回は認知と好感度を同時にアップさせられるWEB広告の使い方について、私の経験や事例を踏まえて紹介します。

「認知広告」は潜在層に自社の商品やサービスを知ってもらう広告

一口にお客様と言っても、2つのグループに分けられます。

1つ目のグループは既に自社のサービスや商品を知っていて、他社比較をした上で購入したいと考えているお客様です。このグループを「顕在層」と言います。

2つ目のグループは、自社サービスや商品を知らなかったり、自身にとってどんなメリットがあるか気づいていなかったりするグループです。このグループを「潜在層」と言います。

潜在層には自社の基本的な情報を知ってもらい、その後の利用に繋げてもらう必要があります。その際に使われるのが「認知広告」です。

消費者の購買プロセス「アイドマ(AIDMA)」

お客様が商品・サービスの購入に至るまでのプロセスを説明するモデルとして「アイドマ(AIDMA)」という考え方があります。AIDMAとは、商品・サービスを知り(Attention:注意)、興味を引かれ(Interest:興味)、欲しいと思い(Desire:欲求)、買える時が来るまで覚えておこうと考え(Memory:記憶)、実際に商品・サービスを買おうと行動を起こす(Action:行動)という購買までの一連の流れを示したモデルです。

ざっくり分けると、潜在層は「Attention:注意」「Interest:興味」の段階にいるお客様で、「Desire:欲求」「Memory:記憶」「Action:行動」の段階にいるのが顕在層のお客様です。

顕在層は既に自社の商品やサービスにある程度興味を持っているので、価格訴求(例:他社より安い)や付加価値(例:他社より優れている)の提案をすることで売上は向上しますが、潜在層に向けて同じことをしても効果はありません。

では潜在層は無視しても良いのか、というとそれは間違いです。お客様の数でいうと、潜在層が圧倒的に多いのです。潜在層に向けた情報発信を行い、「顕在層」になるまでコミュニケーションを取り続けないと、売上はどこかで頭打ちになってしまいます。

お客様の認知段階に応じた広告を打つことで、お客様の購入に向けた気持ちが高まり、最終的に売上につながるという流れをイメージしてくださいね。

Webでの認知広告は費用対効果が高い

具体的に認知広告の例をあげると、テレビCMや新聞の広告欄、電車の中吊り広告などが有名です。これらは大きな影響力を持つ一方で、費用が高額なため、気軽に出稿するわけにはいきません。一方、WEB広告はかなり少額から出稿することが出来ます。

また、テレビCMは時間帯や出稿する番組によってある程度ターゲットのセグメントを定められますが、細かくは設定できません。一方、WEB広告はターゲットのセグメントをかなり細かく設定できます。例えば、年齢・性別だけでなく、職種や興味・関心などで絞り込むことが出来ます。さらに、様々な数値を確認できるため、効果検証がしやすく、PDCAをまわしやすいという特徴もあります。
このような特徴から、費用対効果を考えると、まずはWEBの施策に取り組んでみるのがおすすめです。

ユーザーに好印象をもってもらえるWebの認知広告&事例を紹介

認知広告を出す以上は、認知を上げるだけではなく、好感を持ってもらいたいですよね。

そこで大事なのが「セグメンテーション」です。興味を持ってくれないユーザーに何度も広告を見せたら、悪いイメージを持たれてしまう可能性が高まります。

それでは、認知広告でユーザーに好印象を持ってもらうためには、どんな広告が向いていて、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。私の経験や事例を紹介したいと思います。

効果的な認知広告配信例(1) 「SNS」で興味・関心のあるユーザーに広告配信する

もはや使うことが当たり前となったSNSですが、SNSは「興味や関心」の宝庫です。SNSでの広告出稿は、年代や年収、家族構成といった基本的なことだけでなく、「興味や関心」も含めてセグメントして、出稿できるようになっています。

ユーザー側からしても興味のある情報を集めるツールとしてSNSを使っているので、必要な情報が広告として入ってくるのはメリットであり、好意的に受け取ってもらいやすいです。

私はショッピングセンターの広報をしており、実際にSNSで認知広告を出稿しています。セグメントを設定し、効果を見ながら改善を繰り返すことで、クリック率が非常に高まり、出稿期間のWebサイトのアクセス数が前年対比で+10%となった時もありました。

SNSへの広告出稿は、広告代理店を介して出稿するのが簡単ですが、自分でSNSアカウント画面を操作して出稿することもできます。私もやってみたのですが、セグメントの設定に少々骨が折れるものの、自社のユーザーを掘り下げるのにも非常に有効でした。代理店に任せきりにするのは、もったいないと思います。ぜひ一度挑戦してみてください。

効果的な認知広告配信例(2) まだ課題に気づいていないユーザーに「ディスプレイ広告」を配信する

ディスプレイ広告とは、WEBサイトのページに表示されるバナー広告のことです。画像で直接訴えかけることが出来るので、イメージを伝えやすいという利点があります。

ディスプレイ広告においても広告の王道手法である「課題解決型」は有効です。肩こりや腰痛で悩んでいる方に、マッサージ機を提案するのは典型的な例と言えるでしょうです。

しかし、課題に気づいている層だけでは母数が足りずに中々成果を挙げられない可能性があります。「課題に気づいていない」層に対してのアプローチも目を向けてみると、少しの違いでターゲットが広がります。例えば、頭痛で悩んでいる方に対して、「それは肩こりが原因なのでは?」とマッサージ機を提案する形です。

私の所属するショッピングセンターに入居するテナントでは、課題解決型の認知広告よりも「課題に気づかせる」広告の方が、アクセス数が1.5倍になったというデータがあります。

具体的には、英会話教室の訴求をするのに「英語が苦手で話せない」というキーワードにアプローチするのではなく、「海外出張」や「海外旅行」というキーワードにアプローチし、日常レベルの英会話教室を宣伝していました。

その際に”海外での仕事や旅行がより充実するよう、私達がお手伝いをします”という姿勢で情報を届けたことで、売り込み感が和らぎ、サービスに好感をもってもらえたようです。

課題解決型の広告は多くのライバルが参入している一方で、課題に気づかせる広告はまだライバルが多くありません。より多くの見込み客にアプローチするために、視野を広げて考えてみましょう。

効果的な認知広告配信例(3) 特定の目的を持ったユーザーが集まる「メディア」に広告を配信する

自社商品のペルソナを元に、どんなタイミング・オケージョンで商品を告知すると商品への関心が高まるかを考えてみましょう。

例えば食品メーカーであれば、レシピを考えている時にアプローチすることで購入のきっかけになるかもしれないですし、買い物計画を立てているタイミングでアプローチすることで、買い物リストに追加してもらえるかもしれません。
レシピを考えているタイミングであればレシピサイトやブログ、You Tube、への広告が考えられます。

買い物計画を立てる前に見るメディアとしては、チラシやクーポンを配信しているメディアが想定されます。たとえば、お買い物情報サービスである「Shufoo!(シュフー)」はチラシやクーポン、タイムリーな商品・売場情報を発信しているため、購買決定権を持つ20~40代の主婦・主夫層に人気のメディアです。

そのようなメディアで広告をすることで、今日の夕飯の素材としての購入に繋がったり、代理購買として旦那さんのおつまみに購入してもらえる可能性が高くなります。

Shufoo!で認知に効果的な広告メニューとしては、アプリ・WEBサイトを開いた際に出てくる「ポップアップ広告」や、チラシをタップした時に出てくる「バナー広告」があげられます。その他、アプリのホーム画面上に動画広告を流すことができる等、要望に合わせて多くのメニューがあります。

Shufoo!は亀田製菓様が昨年比5倍の売上を達成したり、ワコール様がユーザーに合わせて商品を告知して認知を拡大する等、実績も多数あります。

詳しいメニューを知りたい方は、資料をダウンロードしてご確認ください。

まとめ

認知を上げるための広告には様々な手法がありますが、その中でもWEB広告がコストパフォーマンスに優れています。これまでマス向けの媒体で認知向上に取り組んで来た方は、一回分の広告費をWEB広告に当ててみてください。

しかし、利用するお客様の事をイメージ出来ていなければそのメリットは享受できません。 WEB広告で効果を上げるために必要なのは「正確なセグメンテーション」。継続して出稿することで、どんな層に受けているのかが分かってくるので、広告の精度も上がります。ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。

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