コラム 販促・集客
商品によって適切な店舗照明は変わる! 購買意欲をアップさせる照明と商品の適切な組み合わせとは?

2020年10月07日
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前回の記事で、照明の「明るい」「暗い」がお客様の滞留時間に影響を与えていることをお伝えしました。今回は、照明の色(照明光源の色味)が購入意欲に影響を与えているということを紹介します。

店舗の照明がお客様の購入に影響するのはなぜか?

「店頭に陳列すると、商品の色が黒ずんで見えてしまい、お客様が手に取っても購入してくれない」

もしこの現象が起きていれば、それは照明の色(照明光源の色味)の影響を受けています。まずは店内に使われる主な照明の色と、照明により店内で起こる現象は何かを解説します。

主な店舗照明の色(照明光源の色味)

店内で使われる主な照明は3つあります。

・昼光色

青み、寒色系の光。涼しそうな演出ができます。活字を読んだり、集中したいときに適しています。昼光色では、青紫色のフィルターがかかったように見えます。昼光色の下では、暖色系の商品は物体の陰の部分が増えたように映ります。昼光色の下で手の甲を見ると、血管が浮き出て、紫がかったシミが増えたように見えます。

・昼白色

白っぽい光。太陽光、自然光に近い光。洋服、化粧品コーナーでよく用いられます。昼白色の下では、白っぽく映るため、人の肌が綺麗に見えます。

・電球色

黄赤、暖色系の光。暖かみのある演出ができます。暖色系なので、飲食店などで使われます。電球色の下では、黄みがかかりマイルドに映ります。電球色の下で手の甲を見ると、全体的に黄色っぽく見えます。

このように、それぞれの照明の色により、見え方が異なります。

照明により店内で起こる現象

店内での照明による現象として、「色彩恒常」というものがあります。私たち人間の目は、その空間(店内)に入った瞬間には照明の色みの違いが分かりますが、時間が経つと目が慣れてしまうという現象です。慣れてしまうがゆえに「売場の照明の色がおかしい」ということに気づきにくくなります。ただし、お客様にとっては無意識に違和感が残り、知らず知らずのうちに購入意欲を減退させていることもあります。

さらに、私たち人間は「記憶色」をもっています。記憶色とは、対象の色をイメージとして記憶した色のことで、実際の色よりも明るく、鮮やかに記憶される特徴があります。記憶色が要因となり、お客様が他店の商品の色と比較して「色がおかしい」と気づいたり、自分が抱いているイメージの色と違っていると感じたりして、購入に至らないケースもあります。

店舗照明と商品の適切な組み合わせは?

このように、無意識のうちに店内の照明によってお客様の購入意欲を左右する可能性があります。1点でも多くお客様に購入してもらうためにも照明の色は重要です。筆者の顧客指導の際にも、必ず店内の照明を確認しています。ここでは、店内の色と商品の適した組み合わせと、その理由を説明します。

色と文字。どちらが重視されるかで適切な照明が異なる

一般的に、スーパー店内の照明は「昼光色」です。商品に記載してある文字がはっきりと読み取れる明るさが必要です。それは、お金のやりとりをするので間違ってはいけないという古くからの商い慣習ゆえの明るさだと教えられたことがあります。

しかし、実際のスーパーの店内では、”色”の情報が重視される売場と”文字”の情報が重視される売場、それぞれに適した照明が必要だと思っています。

色の情報が重視される売り場とは、食品です。色の勉強をすると、「青み魚は寒色系の昼光色」「赤みの肉は、暖色系の電球色」と習います。暖色系の野菜や果物には電球色の間接照明やスポットライトを当てる必要があります。

例えば、暖色系のトマトやパプリカに昼光色だけの光を当てると、赤に青紫のフィルターがかかったようになり、全体に黒ずみ、腐ったように見えてしまいます。お客様は自然光のトマト本来の記憶色と比較して、店内で見るトマトの色から新鮮かどうかを判断します。もし腐ったように見えれば「危険」と知覚し、購入を止めてしまいます。

一方で、文字の情報が重視される売場は、洗剤などの日用品のコーナーです。内容量など文字情報を確認して購入しますので、文字が見やすい「昼光色」の蛍光灯をそのまま使用し、間接照明は不要です。

実はお客様の顔色が重視されるアパレル店舗の照明

アパレルの店内照明は、全体に昼白色を使います。よくある勘違いは、「昼白色」を使用するのは商品である洋服のためだと思っていることです。実は、お客様の顔色のためなのです。

昼白色は、薄めのファンデーションを塗ったように肌の色が白っぽく綺麗に映るので、お顔の小さなシミも消えているように見えます。

お客様は毎日自分の顔を見ているので、記憶色として、自分の自然な顔色をよく知っています。そのため、店内の鏡に向かって洋服を当てた瞬間に顔の色が明るくなったか、暗くなったかに気づきます。そのときの自分の顔色が明るければ、購入のために試着しようかと意識が変わるのも事実です。

アパレルは、定番色がベージュ系と黒色に大きく分かれます。ベージュ系が暖色系、黒色が寒色系になります。
ディスプレイで展示するときは、白色と中性色系の緑色や紫色は全体を照らす「昼白色」だけを使用します。
一方、ベージュ系・赤色・だいだい色・黄色などの暖色系の洋服には全体の昼白色に加えて「電球色」を、黒色・グレ−・青色・青紫色の寒色系を中心とした洋服には全体の昼白色に加えて「昼光色」を間接照明やスポットライトとして当てている店舗もあります。

まとめ

店内の照明には、主に昼光色・昼白色・電球色の3つがあります。基本として青みの昼光色には寒色系の商品、黄赤の電球色には暖色系の商品を当てるのが相応しいと言えます。さらに、商品の”色”の情報か”文字”の情報により照明の色が異なります。活字を読む、文字情報を得るところでは、昼光色。肌の色を綺麗に見せる売り場には、昼白色。食べ物、食品の色を確認するところには、電球色を適度の明るさとともに使い分ける必要があります。

執筆者:株式会社ローズ・ウェッジ 代表取締役 うえた さより

集客の心理的アプローチ、科学性のある新しい売り方が特徴の経営コンサルタント。「経営者のための会社の競争力を高める集客戦略」というコンサルティングテーマをもち、指導している。リーマン・ショックから売上が上がったログハウスの会社、公共事業激減から10年右肩上がりの建設会社、過疎地に進出しグループ企業内顧客単価第1位になったスーパーなど危機的状況を救う。「色」「女性目線」をキーワードにした経営、マーケティングのセミナー、講演、コラム執筆、テレビ出演多数。

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