コラム 販促・集客
【色彩心理】「目立つ店舗」=「集客ができる」は間違い!集客で色を活かす考え方

2020年10月14日
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シリーズ「売りづらい時代のための色彩心理! 色がお客様に与える影響とは?」 お客様の集客は店舗運営の重要なポイントの一つです。集客に影響している「色」に対して、よくある勘違いは「店舗が目立つ」=「お客様が来る」と認識していることです。「色を使って目立つ」=「集客ができる」という考えは、どのような間違いなのでしょうか。ここでは、「色を使ってよく目立つ」の勘違いとは何か、色で集客ができるとは何かを説明します。

店舗の外観や看板の色の効果とよくある間違い

色を使って目立つ」=「集客ができる」ということを詳しくいうと、色の「誘目性」「視認性」「可読性」に期待するという考えです。

「誘目性」とは、目を誘う、目立ちやすさです。見ようとしていなくても自然と目に飛び込むような道路交通標識などが当てはまります。暖色系は誘目性が高いです。

「視認性」とは、可視性とも言い、発見(確認)のしやすさです。離れたところから物を見ようとしたときに、そこに物があるというのがわかるかどうかを指します。町並みと看板の関係が当てはまります。背景と看板の関係で「明度差>彩度差>色相差」の順に視認性が高いです。

可読性」とは、文字や数字の読みやすさです。可読性が高い状態とは、無彩色の地色に有彩色の文字などが一般的です。ホワイトボードに有彩色で文字を書いた状態をイメージするとわかりやすいでしょう。看板で説明すると、看板の地に対して文字や数字が区別できるように明度差をつければ、看板の文が読みやすくなります。

まず最初の間違いは「誘目性」だけを重視することです。目立ってもわかりにくければ来店への効果は高くないでしょう。ですので店舗の場合は、「視認性」と「可読性」も高いことが良いとされています。しかし、「視認性」と可読性」が高いからといって、「お客様がやって来る」も、間違いです。

色は3つの観点との相乗効果が期待できる

実際に、筆者に相談があったのが「山の中に店を構え、色を工夫しているのにお客様が来ない」(パン屋の店主)と「新しくできる道に色を考えて出店したが、お客様が来ない」(カーショップの店主)です。どちらの店主も「お店が目立つ色なのにお客様がこない」と同じことを言っていたのが印象的でした。新しい道の店舗の場合、周囲が更地の状態なので、新店舗は建物の外観、看板ともに「視認性」「可読性」をクリアしてよく目立っていました。山の中の店舗も周囲の自然の風景に対して、鮮やかな暖色系の看板と店舗はよく目立ち「視認性」「可読性」があると言えました。

しかし、「お客さまがこない」のです。ここで見落としがちなのは、「色を使って、店舗が目立つこと」は、お客様がその場所を訪れたいきっかけには直結しないということです。集客には、色の他に次の3つの観点が重要です。

3つの観点と色のバランスが集客を生む

3つの観点とは「コンセプト」「立地」「ターゲット」です。この3つに「色」を取り入れます。3つの観点と色のバランスを考慮すると、意識するポイントは下記の4つになります。

  1. お店の「コンセプト」は明確か
  2. その色は「立地」にあった雰囲気か
  3. その色は「ターゲット」にあっているか
  4. その色はお客様が訪れたいという意識を刺激するか(お客様が色を見た反応はどうか)

この4つのポイントを押さえることで、お客様が来店する可能性は高まります。

では、上記で取り上げた山の中の店舗(パン屋)と新しい道での店舗(カーショップ)それぞれどのような取り組みを行ったか、紹介していきます。

山の中の店舗(パン屋)の事例

まず、山の中の店舗(パン屋)からお話します。このパン屋では店舗の雰囲気と、自然の景観の配色のバランスを取りました。更にお店のコンセプトや店主の想いがはっきりしていたためメディアの取材を受けることに成功し、繁盛店になりました。パン屋の対策を、4つのポイントにに当てはめると、以下のようになります。

1 コンセプトは、「米粉、天然酵母、山の水を使用した体に良いパンを笑顔あふれる食卓へ」

店舗は、山の新緑に映える淡いオレンジの屋根にベージュの壁に変更。カジュアルなイメージ。

「オレンジ」のイメージ:暖かみのある、親しみやすいなど

「カジュアル」のイメージ: 明るい、活発な、親しみやすいなど

3 ターゲットは、子供のアレルギーに悩むママ(ファミリー向け)。
4 ホームページも店舗の屋根と同じオレンジ色に。オレンジ色が食欲を誘い、お手頃価格も相まって購入へと強く働きかけた。

新しい道の店舗(カーショップ)の事例

次に新しい道の店舗(カーショップ)についてお話します。カーショップはコンセプトとターゲット層に合わせた配色にしました。世間にアウトドアキャンプのブランドが流行ると同時に、一気にお客様が増えたそうです。

1 コンセプトは、「週末の大人のライフスタイルや遊び心を提案!」
2 店舗は、焦げ茶と深緑色のアウトドア系の雰囲気に合わせ、更に高級感も漂う配色に変更。
3 ターゲットは、高級なSUV系のアウトドア好きの40代〜50代男性。
4 焦げ茶と深緑で森や自然をイメージしつつ、高級感も考慮した配色で外国ブランドのキャンプ道具に合わせたい人に強く意識させた。

「店舗が目立つかどうか」を考える前に、まずは自店の「コンセプト」「立地」「ターゲット」の観点を整理し、それらにマッチする色を外観・看板~内装に取り入れていきましょう。この土台があれば、お客様の来店する可能性は高まると筆者は考えます。さらにインターネットやSNSを通じてお店のコンセプトをターゲット層に発信することでお店に来たいという人を増やし、「店の前を通った人にアピールするための配色」以上の効果を得ること期待できます。

まとめ

集客は「よく目立つ」=「お客様がやって来る」の関係性が成り立つほど単純ではありません。「視認性」「可読性」が店舗に求められるのはもちろんのこと、マーケティングの観点である「コンセプト」「立地」「ターゲット」に色を上手に取り入れることで、集客に繋がるのです。

執筆者:株式会社ローズ・ウェッジ 代表取締役 うえた さより

集客の心理的アプローチ、科学性のある新しい売り方が特徴の経営コンサルタント。「経営者のための会社の競争力を高める集客戦略」というコンサルティングテーマをもち、指導している。リーマン・ショックから売上が上がったログハウスの会社、公共事業激減から10年右肩上がりの建設会社、過疎地に進出しグループ企業内顧客単価第1位になったスーパーなど危機的状況を救う。「色」「女性目線」をキーワードにした経営、マーケティングのセミナー、講演、コラム執筆、テレビ出演多数。

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