コラム 販促・集客
【色彩心理】売場づくりで気をつけたい相性の良い配色・悪い配色

2020年09月23日
このエントリーをはてなブックマークに追加
色彩心理キャッチ

シリーズ「売りづらい時代のための色彩心理! 色がお客様に与える影響とは?」 前々回の外観の話と前回の店内の話は、色によりお客様の心理が影響するという内容でしたが、今回は色の組み合わせが本能に与える影響をお伝えします。
色を決める基礎的な話ですが、非常に重要なところです。組み合わせが良い色、悪い色とは何なのか、どこに気をつけなければいけないのかを色の原則と小売店の売場例とともに説明していきます。

色相環とよく使われる配色

まずは、マンセル色相環を用いてよく使われる配色を説明します。 なお、本稿では、色相の番号、色相差に使用する便宜上、赤を1番にして時計回りに番号をつけております。


図:マンセル色相環

この図において、1番から6番までが暖色系、11番から16番が寒色系、その他の色相(7~10番、17~20番)が温度を感じない中性色系と呼ばれています。色のコーディネートをするときは、次のような色相配色を用いて決定していきます。

・同一色相配色(同じ色)

・隣接色相配色(番号差が1)

・類似色相配色(番号差が2)

・中差色相配色(番号差が3~5)

・対照色相配色(番号差が6~8)

・補色色相配色(番号差が9か10)

さらに配色には色相のほかに明度彩度が関係します。同じ色、同一色相でも、明度や彩度を徐々に変えたなだらかな色合いのグラデーション配色や、似た配色に補色の色相を少量入れたり、明度差をつけたりしてメリハリや動きをつけるアクセントの配色技法がよく使われます。

相性の良い色は「快」「明瞭」、相性の悪い色は「不快」「不明瞭」

店舗にあまり使われないのが中差色相配色です。中差色相配色は、マンセル色相環での番号番号差が3~5という近い色の組み合わせのことです。組み合わせたどちらの色のイメージが主張されるのかが分かりづらい配色だと、筆者は思います。実際の店舗では、中差色相配色により「なんとなくおかしい」「何を主張しているのかわからない」というモヤモヤしてはっきりしない「不明瞭」を感じます。そしてこのことが集客と売上に影響を及ぼしていることも分かっています。
逆に「快」「明瞭」にあたるのは、番号差が1つまり隣同士である「隣接色相配色」、差が2と近い色である「類似色相配色」、逆に番号差が9か10と差が大きい「補色色相配色」になります。

アパレルは「明瞭」に、ドラッグストアは「快」に

私たちの消費行動にも影響のある売場づくり。相性の良い色を「明瞭」、悪い色を「不明瞭」だと感じやすいアパレル、色により本能的に「快」「不快」を消費者に与えてしまいかねないドラッグストアを例に具体的に見ていきましょう。

その色は、店頭の洋服のイメージを生かせているか

アパレルの特徴は、シーズンにより商品がガラリと変わることです。つまり、商品の色もシーズンごとに大きく変わります。
出店当初は、商品のブランドイメージと空間プロデュースのコンセプトを内装の色とともに考えますが、運営が始まればシーズンの移り変わりによる商品の入れ替えを行うため、空間よりも商品に注力されがちです。だからこそ、「不明瞭」な配色が起こりやすくなります。


図:「不明瞭」な配色 ブランドイメージが曖昧なアパレル店内

極端な例を挙げると、だいだい色(3番)に白やグレ−を混ぜたやわらかく淡いベージュの内装の空間に、黄(6番)や青みの緑(11番)のような中差色相配色の衣類が飾られていることがあります。
一見すると、内装と衣類には明度や彩度の差があり商品が目立ちますが、黄と青みの緑の組み合わせは色相差が5になり、どちらの色のイメージを主張したいのかが分かりません。
そして、店内のベージュの色相3番と衣類の黄の6番は中差色相配色になり「不明瞭」。ベージュの3番と青みの緑の7番は、対照色相配色で「明瞭」とは言えず、ブランドイメージのあいまいさが漂います。内装とディスプレイした商品の配色バランスが取れていない状況となるのです。

アパレルでは、シーズンが変わるたびに商品展開とブランドイメージを再検討します。そして内装と商品の配色バランスを考えることも、売り場作りには重要です。

色の印象が店舗イメージに直結しやすいドラッグストア

消費者のドラッグストアに対するイメージは、「薬」(調剤薬局を併設している)のイメージが強いと思います。病院のイメージにも近いため、ドラッグストアの店舗には消毒や、ウイルスを寄せ付けないといったような「清潔感」のイメージが求められます。そのため、お客様は本能的に「快」「不快」という印象の受け取り方もはっきりしてきます。

このように、ドラッグストアの場合には本能的に求められるイメージが存在するため、筆者は、寒色系の「青(14番)」を基準に配色の組み合わせを考えています。青色を中心としたグラデーションは爽快さがあり、ドラッグストアに適した色だと考えます例えば、白中心の店内で薄い青色を使ったPOPを使用することは、清潔感を感じさせ「快」の印象になります。


図:青14番を基調とした配色 清潔感あるドラックストア

青14番の組み合わせとしては、同一色相配色の14番、隣接色相配色の13番か紫みのある15番の組み合わせが良さそうです。同一色相配色の14番の明度、彩度を変えて、グラデーション配色の組み合わせも「快」といえます。
ここで、注意しなければいけないのは、類似色相配色でも、青みの紫である16番との組み合わせです。人によって、紫は”POISON(毒)”というイメージを彷彿させることもあり、「薬」のイメージの強いドラッグストアだからこそ気をつけたいところです。

このように、ドラッグストアではそのイメージから、色の組み合わせにおいて、受け手の印象は本能的に「快」なのか「不快」なのかを考えることが大切です。

まとめ

売場の配色は本能的な知覚に影響を与えるからこそ、「不明瞭」「不快」な印象をお客様に与えても明確な理由が分かりづらく見逃してしまいがちです。基本となる相性の良い配色・悪い配色とお店の特徴を踏まえて、お客様に「明瞭」「快」の印象を与える売場づくりを目指していきましょう。

執筆者:株式会社ローズ・ウェッジ 代表取締役 うえた さより
集客の心理的アプローチ、科学性のある新しい売り方が特徴の経営コンサルタント。「経営者のための会社の競争力を高める集客戦略」というコンサルティングテーマをもち、指導している。リーマン・ショックから売上が上がったログハウスの会社、公共事業激減から10年右肩上がりの建設会社、過疎地に進出しグループ企業内顧客単価第1位になったスーパーなど危機的状況を救う。「色」「女性目線」をキーワードにした経営、マーケティングのセミナー、講演、コラム執筆、テレビ出演多数。

あなたに合った集客方法をご提案します

ページトップへ