コラム 販促・集客
配布しても効果がない?ポスティングの特徴と集客を高めるポイント

2022年03月04日
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執筆者
オーズ合同会社 方山 敏彦

オーズ合同会社 方山 敏彦

ビジネス書を中心とした出版社を10年経営し、既存の出版業だけに留まらず電子書籍・動画・通販・Web広告・SNS運用支援など、クライアントの要望に応え包括的なプロデュースとコンテンツ制作を行っている。 会社代表者と15年以上にわたる豊富な執筆経験をもとに現役ライターとしても活動しており、Webマーケティング・販売・流通・労務管理・人材採用・知財法務・教育・IT活用などの分野で幅広くコラムを執筆中。著書に『ザ・ウェブライティング』(ゴマブックス)がある。

今回は、ポスティングの実施を検討している方のために、

  • ポスティングの基本的な特徴
  • ポスティングの効果
  • 費用対効果
  • ポスティングの種類
  • ポスティングと比較されやすい広告手法のご紹介

を解説します。
ポスティングを実施すべきか判断するために、基本的な特徴を押さえておきましょう。

ポスティングの特徴と費用対効果

ポスティングを効果的に行うためには、メリット・デメリットを含めた特徴を理解することが大切です。費用や反響率から見たときの広告媒体として、ポスティングが適しているかを見ていきましょう。

ポスティングとは?

ポスティングとは、チラシなどを各家庭のポストに直接投函する行為のことを指します。チラシ以外にも、化粧品や調味料などのサンプルを配布することができ、認知拡大や集客に期待できる販促手法です。

チラシの配布方法としては、ポスティングの専門業者に依頼をする方法と、自分たちで配布をする2つの方法があります。費用や配布にかかる時間などを考慮した上で、自社にあった方法で配布を検討してみましょう。

ポスティングのメリット・デメリット

ポスティングは特定のエリアに配布することに向いていますが、一方でいくつか気をつけるべき点もあります。どのようなメリット・デメリットがあるかを紹介します。

ポスティングのメリット

メリットは、各家庭のポストに直接届けるので”視認性が高い”ところです。継続的な配布を行うことで自店の認知度を高め、集客につなげられます。

また、配布物を用意しておけば、いつでも好きなときに配布を依頼できることも良い点です。チラシの配布を禁止している場所以外であれば、販促したいタイミングですぐに潜在顧客にアプローチできます。

ポスティングのデメリット

ポスティングのデメリットとしては、一軒ずつ配っていかなければならないため、配布数が限定される点があげられます。配布数を多くしようとすれば、それだけ人件費がかかってしまうので費用対効果をよく見極める必要があります。

また、新聞折込チラシなどと比べて、広告媒体としての信頼度が低い点にも注意が必要です。

ポスティングの費用対効果と一般的なスケジュール

ポスティングで成果を出すには、費用と効果のバランスを見極めることが重要です。反響率なども踏まえた上で、どのような配布をしていくのかを決めていきましょう。

費用

ポスティングにかかる配布単価は、配布するエリアや時期によって異なりますが、A4サイズ1枚あたり4~8円程度といわれています。デザイン費や印刷費も含めると、5,000部のチラシを作成して配布するのに5~15万円程度はかかります。

反響率

反響率とは、実際にポスティングをしたことによって、どれだけの反応(来店やお問い合わせ)があったのかを示す割合を指します。「反響数(反応数)÷配布数×100%=反響率」という計算式によって求められます。

反響率は業種によって異なるものの、平均すると0.01~1%程度です。新規注文や申込をメインとする飲食業や学習塾などは0.5~1%、不動産業などの高額な価格帯のものは0.01%ほどとなっています。

ポスティングの一般的なスケジュール

ポスティングを行う一般的な流れとしては、下記になります。

  1. 初回お打ち合わせ…配布の目的、ターゲットをお伝えしたうえで、配布エリア・配布枚数などを提案してもらい、見積書をもらう
  2. 納品…配布予定日の3~4日ほど前に納品
  3. 配布…配布が完了したら業者から報告書を提出してもらい、結果を検証する

業者との打ち合わせから、チラシの配布完了までトータルで1週間~10日程度はかかるので、余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。

また、上記ではチラシで打ち出す内容を決めたり、デザイン制作や印刷のスケジュールは含まれていないので、配布する1ヵ月前には準備に取り掛かる必要があります。

ポスティングの反響率が高まる!効果的な配り方とは?

このようにポスティングを行うにはある程度の費用と時間がかかります。このコストに見合う成果を得たいですよね。
ここからは効果的なポスティングを行うために外せない5つのポイントを紹介します。

ポイント1:自店に効果的な配布方法を選ぶ

ポスティングには、「全戸配布(ローラー配布)」と「選別配布」の2種類の配布方法があります。

全戸配布とは、配布エリアを指定し、その範囲内のマンションや一戸建て、事業所などに配布をする方法です。商圏内にターゲット層が多いときに有効な手段です。ただし、ポスティング禁止のマンション等は避けて配布をするため、だいたい世帯数の7~8割に配布をすることになることが多いようです。多くの人に情報を届けることができる一方で、興味のない生活者にもポスティングをすることになるため、場合によってはクレームの対象にもなるので注意が必要です。

一方、選別配布は特定の建物に限定した配布方法であり、エリア内にあるマンションや一戸建てなど、配布したい建物を選択します。ターゲットが明確で、特定の年代や家族構成の顧客層に情報発信を行いたいときに有効です。

表でまとめると下記のようになります。

全戸配布(ローラー配布)   選別配布
指定エリア内にある建物に無作為に配布する方法 配布方法 指定エリア内にある特定の建物(戸建、マンション、企業等)に限定して配布する方法
  • 幅広く商圏内のターゲットにリーチ可能
  • 配布単価が安いことが多い
メリット 狙ったターゲットに効率よく情報を届けられる
クレームにつながることもある デメリット
  • 広く周知できない
  • コストが高くなりやすい
商圏内にターゲット層が多いときにおすすめ 特徴 特定の年代や家族構成の顧客に配布したいときにおすすめ

また、「単独配布」と「併合配布」の違いについても押さえておきましょう。単独配布は自店のチラシだけを配布してくれる仕組みで、併合配布は他店のチラシと同時に配布される仕組みです。
併合配布のほうが配布効率がいいため料金は安くなりますが、他のチラシと一緒に配布されるので視認性が低くなる傾向にあります。自店のチラシだけに注目してもらいたい場合には、単独配布を検討してみましょう。

こちらも表でまとめると、以下のようになります。

単独配布   併合配布
自店のチラシだけを配布してくれる仕組み 配布方法 他店のチラシと同時に配布される仕組み
自店のチラシだけに注目してもらえる メリット 料金が安くなる
配布料金が高くなる デメリット 視認性が低くなる

ポイント2:ターゲット層が住んでいるエリアの見極め

配布エリアについては、やみくもにチラシを配ってもコストばかりがかさんでしまうので、エリア設定が重要です。あらかじめターゲット層がどのエリアに住んでいるのかを見極める必要があります。エリアマーケティングの一つの手法である商圏分析を行うことで、どの顧客層がどのエリアにいるのかをリサーチしておきましょう。

ポイント3:ポスティング効果が高い時間帯・曜日とは

ポスティングは各家庭のポストに直接投函するため、できるだけ手に取ってもらえる時間帯や曜日を把握しておく必要があります。たとえば、主婦層や高齢者層であれば平日の午前中や昼、会社員をターゲットとするなら土日が適しています。

ポイント4:ひと目で伝わるチラシデザインの工夫とは

せっかくポスティングを行っても、読まれずにそのままチラシが捨てられてしまう場合もあります。配布エリアやターゲットに問題がなければ、デザインを見直してみることも必要です。

読まれるデザインは、ターゲット層が求める情報が視覚的にすぐわかるものがベストです。ターゲット層の気持ちをイメージしながら、ウリとなる商品やサービスの強みを大きく引き立たせたり、ライバル店との違いを強調したり、、見た瞬間に伝わるような工夫をしてみましょう。

また、特に大事なのが、キャッチコピーです。ターゲットに刺さるキャッチコピーにするためには、次の3つのポイントを意識しましょう。

  1. あなたがずばりターゲットです!と伝える
    例:「〇〇に在住の方」「初心者歓迎」「〇〇歳の方に人気」など
  2. ”今”行動しなきゃ!と思わせる
    例:「今月末まで限定」「先着〇〇名様限定」など
  3. 納得する数値・写真を使用する
    例:「地域No.1」「満足度90%以上」など。グラフなども効果的

ポスティング用のチラシはサイズが限定されるので、掲載できる情報にも限りがあります。ターゲット層に訴求し、反響率を高めるためのデザインやキャッチコピーについて悩んだときには、以下の記事も参考にしてみてください。

ポイント5:チラシ投函禁止の建物にポスティング

ポスティングでは、多くの世帯が入居するマンションに配布することも多いです。ただ、マンションの中には「チラシ投函禁止」の掲示があるので注意しましょう。

ポスティングそのものは商業活動の一環なので違法ではありませんが、禁止と掲げられているにもかかわらず配布を行ってしまうと、クレームの対象になってしまいます。また、自店の認知度や集客効果を高めるためにポスティングを行うはずが、かえって信用度を低下させてしまう恐れもあるので気をつけましょう。

マンションにポスティングをしたい場合は、下記の記事を参考にしてみてください。

ポスティングの効果を測定する方法

前章で効果的なポスティングを行う注意点を紹介しましたが、実際にポスティングを行った後の効果は、どのように測定するとよいのでしょうか。ここでは、効果の測定方法について解説します。

ポスティング効果測定方法

測定方法1:会員カードでチェック

自社やお店の会員カードやハウスカードなどがあるなら、そのデータを活かして、ポスティングエリアの来客数や売上などを確認します。配布したエリアの客数や売上が伸びていたら、効果があったと判断できます。

測定方法2:クーポン利用率をチェック

チラシにクーポンを付けておき、その利用率をチェックする方法もあります。クーポン施策は集客効果があるものの、割引クーポンなどはあまりにも多く発行すると、売上に影響してしまう可能性もあります。あらかじめ最大利用率などを予測しておき、売上に弊害のない範囲で行うようにしましょう。

測定方法3:専用ウェブページでチェック

セールやキャンペーンなどを行う場合に専用のウェブページやLP(ランディングページ)を用意しておくと、チラシの紙面だけでは伝えきれない情報も拡散できます。チラシには、そのページにアクセスするQRコードを付けておきます。Googleアナリティクスなどを活用すると、QRコード経由でアクセスした訪問者の数や属性、サイト内の動きなども確認できます。このように、紙メディアとWebメディアを連携すると、詳細な効果分析も可能となります。

測定方法4:専用フリーダイヤルでチェック

専用のフリーダイヤルを設けて、チラシに電話番号を記載すると、注文や問合せの数などを把握できます。

測定方法5:アンケートでチェック

来店時や接客時に、スタッフがアンケートを取る方法もあります。来店のきっかけとなった情報源や理由を聞くことで、ポスティング効果を把握できます。このほか、来店者の性や年代、居住地などの属性情報のほか、購買の有無とその理由、お店の印象・期待なども一緒に確認すると、有益なアンケートとなります。

ただしアンケートの場合、回答拒否をされることも多いので、謝礼品などを用意するとよいでしょう。また、スタッフの負担を軽減するために、アンケート用のQRコードを用意しておき、お客様自身がスマホで読み取って回答いただくなどの工 夫が必要となります。

ポスティングは繰り返すことが大切

ポスティングは、単発の配布で終わるのではなく、何回も繰り返して行うことが重要です。限定したエリアやターゲットに何度も繰り返し配布することで、いつのまにか名前を覚え、親しみや好意を抱くようになる単純接触効果がうまれます。認知度や好意度が上がると、それが来店率向上につながります。

ポスティングは、繰り返し配布しながら、都度効果を確認して改善を図る効率的なPDCAを回すことで、効果を最大化することが可能となります。

ポスティングに向いているかの判断基準

ポスティングは実施に適した業種があります。比較されることの多い、エリアを絞ることのできる広告媒体との違いも踏まえた上で、ポスティングを行うべきかを判断してみましょう。

ポスティングに適した企業・業種

ポスティングがおすすめの企業・業種としては、スーパーマーケットなどの小売業・飲食店・不動産業・学習塾・宅配サービス・人材派遣業・美容や健康関連などがあげられます。エリアの絞り込みができるのが最大の特徴なので、”地域密着型”のビジネスを展開する業種が向いています

特にライバル店が多いエリアでは、販促活動に力を入れてアピールしていくことが重要です。認知度を高めて集客につなげるためにも、潜在顧客に対して継続的なアプローチを行っていきましょう。

続いて、他の広告手段との比較をそれぞれ紹介します。

新聞折込チラシとの比較

チラシの配布はポスティングの他にも、新聞折込チラシがあります。新聞の購読者向けにチラシを届けてくれるサービスであり、ポスティングと比べて信用度が高いといった点が特徴です。

ただ、新聞の購読者数は年々減っているので、狙いたいターゲットの購読率を事前に確認するのがおすすめです。

DM(ダイレクトメール)との比較

ポスティングが、特定エリアのポストにチラシを投函する方法であるのに対し、DM(ダイレクトメール)は、顧客リストを元にターゲットを絞り、郵便やDM便などで宣伝物を届ける手法です。

DMは、ターゲットを絞ってその顧客が好む情報を届けるため、ポスティングよりも開封率や反響率が高くなる傾向にあります。既存の顧客データを元に個別の顧客に発送するので、リピーターの維持に向いています。

一方、ポスティングは、統計データを元に指定エリア内のすべての住居に届けるため、広範囲の認知度アップが可能となります。また、潜在層であった新規客の獲得にもつながります。

電子チラシとの比較

新聞折込チラシの配布部数の減少に伴い、電子チラシへの出稿も増えています。

ポスティングと比較した電子チラシの特徴としては、下記が挙げられます。

  1. 配布エリアを広げても人件費がかからない※1
  2. チラシの印刷を行わない分、スピーディーな対応が可能
  3. チラシの情報を自ら探しにくる能動的なユーザーがメインのため、情報の受容度が高い
  4. どこに住むどのような人にチラシを見てもらえたのかのデータの収集ができるため、PDCAをまわしやすい※2

ポスティングは何度も手にすることで視認性が高く、効果的な手法ですが、先述したとおり、5,000部の紙のチラシを作成して配布するのに5~15万円程度かかります。同じチラシを電子チラシとして併用することで、ポスティングのデメリットを補うことができます。

※1 配信費はかかる可能性があります。サービスによって課金の仕方が変わりますので、各サービス毎にお問い合わせください。Shufoo!ではEUU課金(コンテンツをタップして拡大表示した数だけ課金される)の方法を取っていますので、配信回数による費用はかかりません。詳しくはお問い合わせください。

※2 Shufoo!では、GISツールを用いてユーザーのチラシ閲覧地域や、属性(年代や男女比など)を見ることができます。

Shufoo!を活用して集客力UP

Shufoo!(シュフー)は電子チラシの一つであり、20~40代の子育て世帯をメインユーザーとしています。月間ユニークユーザーは全国で1,600万人、ページビューは月間で4.5億PVです※3

電子チラシで反響があったものをポスティングチラシとして採用すれば、印刷コストをカットしてクリエイティブテストを行うことができます。効果的なポスティングを行うためにも、ぜひ電子チラシを使ってみてください。

※3 ASPを含めた数値です。2019年12月時点

まとめ

ポスティングを効果的に行うには、基本的な特徴を把握した上でデメリットをどう補っていくかを考える必要があります。もちろんポスティングのみでターゲット層のすべてをカバーするのは難しいため、他の広告手段と組み合わせて戦略的に潜在顧客にアプローチをしてみましょう。特に電子チラシと併用すれば、オンラインでの情報配信にも役立てられます。ポスティングによる効果をさらに高めたい場合には、是非Shufoo!の利用も検討してみてください。

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